2013/04/22

そういえば、コテンのあいさつ文(DMに載っている文章の全文)です

 
ストックホルムからカルマルに向っていた
途中でローカル線に乗り換える
座席はほどよく埋まっていた

朝の肌寒い霧雨は、その頃にはすっかり透いた青空に変わっていた

草原の中を走っていく
時々、羊がのんびりと草をはみ
平屋の家が点々と建っていた
駅が近くなるにつれ家が増えていく
けれど、いたって静かでのんびりとしている

おだやかな初夏の昼さがり
澄んだ空とさらりとした空気
ここの太陽はなんだか一層透明な感じがする

相席の女の子は、iPodで音楽を聞いていた
窓から涼しい風が入ってきて
気持ちがよくて、眠たくなった

前の方の席で、子供を連れた女の人が
歌を口ずさんでいた

“風の谷のナウシカ”に出てくる曲

らん らんらら らん らん らん
らん らんらら らん

音が風景に溶けていく

ここは、どこの国だったろう

はねを忘れた天使が、はしゃぎながら通路をかけていく

今日の目的地は、楽園なのだから

ぬるくなった炭酸水は、すっかりガスが抜けていた

楽園までは、もう少しかかるみたいだけれども

その道のりもまた、とても美しかった

June 30, 2012 のメモより

あいさつにかえて
 

 

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