2014/08/30

History of East Hastings (vol.10.5)

このhomeless記事は、いつまで続けられるかわからないが…
何気に、10回目になった
ということで、また、0.5の回を作ってみる

どんどん新しいビルが建てられていく今のvancouverで
唯一古い町並みを残しているのが、East Hastingsになるんじゃないかと思う
Gastownあたりも古いのだが、修繕してレトロオシャレ感に仕上げている一方
East Hastingsは、古いビルの修繕すらあんまりしていないので、レトロを通り越して、外観とか煤けていたり、ボロボロである…
ある意味、その当時のままだったりするわけだ
そのせいもあり、この地域に入ると、少し風景が、土埃もたっていないのに、なんだか煤けて見える…

こないだなど、art deco(アールデコ)風のビルの飾りの石像が歩道兼hastingsの憩いの場(pigeon park)に落下してきていて、
危なすぎるので、柵に囲まれていたが、全く直す気配もなく、早1ヶ月くらい経とうとしている…
(青い柵で囲まれてる)

(かなり大きな石の塊が落ちてきてて、危すぎる…)


今や、west sideが華やかだが、ほんの40年前くらいまではこのあたりが市の中心街だった
市庁舎や、裁判所、デパート、ショッピングセンター、図書館、最大手の電鉄会社の本社やハブステーションもあり、非常に栄えていた
20世紀初頭までは、ここがculture と entertainment の中心地だった

100 East Hastings あたり(1918)

いま、ここは、大規模工事中




上の場所の1910年の夜の風景





1910年ごろ、このころは中央図書館だった
当時のCarnegie center


全く同じ、今も図書館の分館機能はある
ここについては、また今度機会があれば書きます

中は、こんな感じで、とても綺麗
建物周辺や前が、Hastingsの人たちの溜まり場だから、一見近寄りがたい


1920年頃のCarnegieの向かいのビル

1940年ごろの上のビルのHastings×Mainの角のところ



今も健在


下のお店はすっかり変わって雰囲気も違うけど…




見つけて、1番驚いた
Balmoral Hotel のチラシ

1940年ごろのBalmoral Hotel
現在…

今は、市が買い取り、low income(低所得者)用の住まいとして提供されている
1932年頃のCarrall st.からMain側を見た感じ

これは、向いの角からだけど、Carrall st.からMain側へ

CarrallからMain側へ (1932)
ちょうど歩道のところが、今は…

こんな感じでHastingsの人たちによる、恒例の盗難品紛い品拾得品など色んなものを売る謎な露店(毎日やっています)になっている

Columbia stからMain側へ
 

上記に書いた、壁が落ちてきている、このちょうど角の広場(pigeon park)だが 
1898年ごろ、この角は、palace hotelだった

さて、20世紀中盤あたりから、開発により街の中心がwest sideに移行していき、1970年代あたりに入ると、East Hastingsには、安宿やビアホールなどが増え、ドラッグやアルコールの依存性や娼婦も増えてくる

ちょうど、それの少し前だが1960年頃のfilmがあったので
これには、その頃のHastingsがそのまま記録されている
この頃すでに、west sideに移行しつつある過渡期である
 
だが、今のHastings からするとビックリするくらい華やかである

Filmの中では、私の好きな看板のOnly seafoods restaurantが、営業しているし
今は…


私が前回までに書いたバンクーバーのホームレス関連のBlog記事のback number...........(vol.1-10)

⚫︎ホームレスについて (vol.1)
 

⚫︎施す人、施される人 (vol.2)
 

⚫︎施しの文化 (vol.3)
 

⚫︎食べ物を配ること (vol.4)
 

⚫︎労働の対価 (vol.5)
 

⚫︎Homeless in Vancouver (vol.5.5)
 

⚫︎食事調査レポート (vol.6)
 

⚫︎信仰と慈善 (vol.7)
 

⚫︎時間の寄付 (vol.8)
 

⚫︎信じるモノは救われる、のかもしれない (vol.9)
 

⚫︎First people (vol.10)
 

Vancouverの中で、このpublic artが1番好き
なんか、すごくeast sideの景色にあっている

パンダとか


......確かにね

パンダも一緒に太極拳…
カメラ目線
ヘソが…

2014/08/28

Concerning public phone

I've never seen the public phone that can work downtown....
まともに動いている電話に出会ったことがない
The wall color seems pretty nice.
ちょっと、背景の色合いオシャレ
On Granville st.

The receiver was broken..... 
受話器が破壊されてる…

On Davie st.


Thanks for telling us about "broke"
親切に教えてくれてるし

On Hastings st.

In any case,  it's much more useful for everyone.....

もうこの際、棚の方が利用価値あるからね

お庭キャンプ

モロコシをもらいに行くと
庭でマシュマロBBQしていたので、
好物だから、参加
その後、イケメンdaddyとイザベルが親子で真剣にフランクフルトを焼いていた




2014/08/26

First people (vol.10)

First Nation のことも、少し触れておきたいと思う

(City of Vancouverから、こんな立派なfreeのFirst Nationの歴史や文化についての冊子が出されている。
中はオールカラーで90ページ。紙もかなり良い。はじめ見たとき立派すぎて驚いた)


First Nation とは、北米にいる先住民のことで、日本だとインディアンという名前の方が親しみがあると思う

彼らは、いくつか種別があるのだが、1番多くの人数をしめているのが、
少し褐色の肌で、顔は凹凸があまりなく、黒髮なのでアジア人に近い顔立ちをしている。(鼻や頬骨は少しでていたりする人もいる。アイヌの人に近い)
なので、一見して白人とは完全に区別できる

First Nation、First people、または、aboriginal people と呼ばれ、もともとは、たくさんの部族に分かれていた。呼称通り、初めから住んでいた民として認識されている。

大航海時代に、インドと間違われたことからindianと名付けられたのだが、
その後、西洋からの侵略、植民地化により、土地の開拓と統治が行われてきた

建前上の共存を主張していたカナダ政府も、先住民にとっては、単なる侵略者でしかない存在なので、折り合いがつくわけもなく、最近のOppenheimer park の件(それについて→ http://fukuchiayako.blogspot.ca/2014/07/homeless-in-vancouver-vol55.html?m=1 )を一つとったとしても、未だに根底を引きずっている気がする

また、政府による過去の政策も、あまり良いものではなかったし、中には完全に失敗とされ、政府が謝罪した件も多々あるが、依然として、訴訟中の案件も沢山ある

Oppenheimer park
(First Nationに対して、国連や人権団体からの目もあるため、カナダ政府は、彼らにあまり強く出れない
何度か立ち退きの勧告を出したが、彼らは元々が自分たちの土地であること、また、政府へのいくつかの自分たちの主張のため、今も陣を組んでいる。
でも、なんか最近は、普通に穏やかなテント村みたいになってて、見た目キャンプ場みたいになってるけど……)


どこの国でも、先住民と後から来た民族との問題は山積しているが、カナダは建国が新しいこともあり(150年くらい)、過去の様々な取り組みや政策の結果が、ちょうど現代に反映されてきている気がする。
(日本にも先住民族の問題がある。しかも、取り組みがかなり遅い。まだカナダ政府の方が動いているのは、他民族国家の国民意識の違いがあると思う。日本は単一民族として棚にあげて、おざなりになっている。)


さて、First Nationは、カナダ全土で54万人
これはカナダの全人口の1.8%
しかし、これは、政府への"登録"人数であって、実際、認められてない部族もいるらしい
"登録"すると連邦法により、"一定の権利や特典、社会保障などを享受することができるFirst Nation"として認められる

1番大きな権利としては、"保留地"と呼ばれる特定の地域が与えられている
この保留地は、カナダ全土で2200箇所以上あり、登録人数の半数以上、605の部族集団が、そういった保留地に居住している

また、この保留地で生活していさえすれば、狩猟や漁業や商いの自由(First Nation 以外は、カナダでの魚釣りは、仕事じゃなくても権利を買わないと通常はできない。)、税金の免除や補助金がでたりする

しかし、大半は地方の辺鄙な場所や、北の極寒地域に指定されていて、中には全く住んでいない所もある

名目上では、First NationもCanadian(First Nation以外)と変わらず、ほとんどの分野の職業につけるが、他国民から比べると、就業率の低さの一方、失業率がかなり高い
また、多くの保留地で、依然として住宅が不十分である

補足だが、カナダに来て、思うことは地名が面白いこと、これは、First Nationが使っていたものをそのまま使っていたりする
(有名な所で、"Canada"は、彼らの言語の"Kanata(村落、集落)"から来ている)

本当に簡易的な説明で申し訳ないが…
なぜ、First Nationの話を出したかというと、Hastingsにいるとかなりの率で彼らを見るのである
Downtownの方では、ほとんど見かけないのに、HastingsのCarrall st.を越したあたりから、通りにいる人の雰囲気がガラリと変わり、First Nationの顔つきをした人(もちろん彼らの中には彼らの伝統的な装飾品をまとっている人も見かける)や、homeless風の人(見た目だとhomelessか否かは、判断しずらい)、drug中毒者などが増えてくる
面白いことに、アジア人のhomeless風の人は、ほとんど見かけないと言ってもいいくらい、存在しない。ここに関してのみは、白人とFirst Nationの率がかなり高い。

VancouverにいるFirst Nationは、Vancouver全人口のわずか2%しかいないのだが、
VancouverにいるHomelessの総計の約30%がFirst Nation であるという、少し悲しい統計が出ている

Hastings界隈に行くと、First Nationを支援する施設や、積極的彼らを受け入れているシェルターや慈善団体も見受けられる。
(East Hastingsの真ん中あたりにある、Aboriginal front door society)

First Nationがこの地域に多い理由として考えられているのは、上記に挙げた就業率と失業率の問題、保留地以外での生活の厳しさ、特に居住問題。(しかし、この時点だと、First Nation以外のhomelessも同じことが言える)
それと、カナダ政府の失敗した政策の傷痕(悲惨な過去として伝えられている政府によるFirst Nationの寄宿学校への教育制度など)もあると言われている。
また、補助金をアルコールとドラッグに使ってしまっているという話も聞く…

2014/08/24

Hastings通信 (8/22付け)


カッコ良い古いロールスロイスが、なぜかHastingsに

で、hastingsの住人たちと、眺めていて、1人のおっちゃんと話していたのだが、
もう、そのおっちゃんのボロボロのベストの後ろの手書きの文字が謎すぎて…
He's a cool hip dip tell yer daddy.


2人でぶつくさいいながらロールスロイス観察していた

2014/08/23

信じるモノは救われる、のかもしれない (vol.9)

たまに思うのが、何か信じるものがある人は、何もない人より遥かに強いと思う。

それを顕著に感じるのが、
どん底からはい上がってきた人や、苦しみの中を耐え抜いている人を見たときである。

信じているものが、もしかしたら、目に見えないものであればあるほど、目に見える現実世界の苦しみや悲しみから隔離して考えられ、精神的な支えとなるのかもしれない


シェルターのある教会で働く、大柄な初老の男性がいた

四角い輪郭をした、鼻の下に白い髭を生やした
そこら辺にいそうな感じの、体格が良い白人の男性だった

椅子に座っていいかな、
と、はにかみながら近くにある椅子を引き寄せて

身体を少し重そうに、足に重心をかけてから、ストン、と座った



これまでの人生をかいつまんで話すよ

ぼくの親は、子供に暴力を振るうような親だった
物心ついた時から、虐待を受けていたんだ

12歳くらいになると、ぼくはアルコールや煙草を覚えて、のめり込み、悪い仲間がおのずと集まってきた

学校にほとんど行かなかったし、行っても、激しい喧嘩ばかりしていた

だから、学校は、すぐにやめることになった

15歳で仕事を始めた
家を出たかったし、お金が欲しかったから

そのうち、嫁さんをもらって、子供も出来た

ぼくは、相変わらず働いていたし、
一見ふつうの家庭に見えただろうし、そうつとめていた

だけど、違かった
昼間の仕事の他に、夜も"仕事"をしていた
車を盗む仕事

家族には隠していた

朝から夕方まで、"昼間の仕事"をして、普通に帰ってくる
そして、家族が寝静まったら、こっそり家を抜け出して、"夜の仕事"へ行く
また、家族が起きる前に、家にもどってくる
そんな生活を続けていた…

そして、
ある日、
家に帰ると、誰もいなかった

もぬけの殻だった

そこから、お酒と麻薬に、より深く堕ちていった

底なし沼のように

深く深く…

仕事も、家もなくなっていた

もう、いつなのかとか、どこなのかとか、生きているのかとか、何もわからなかった

本当にボロボロだった


気付くと、

この教会の前にいた

そして、神が隣にいたんだ

その時は、本当にひどい有り様だった

生きていることが、わからないくらいに

神に導かれるように、ここへ来て

そして、そこから、
ここのアルコールとドラッグ中毒の矯正プログラムを受けはじめた

そして、いまのぼくがいる

ここのスタッフとして働いている、いまのぼくがいる


xxxxxxxxxxxxx


(私の拙すぎる英語力なので、怪しいが)

神の存在どうこうよりも、宗教うんぬんでもなく、
信じるものが、常に目に見え触れられる存在であったならば、彼は、ここにいなかったんじゃないかと思った

目に見えるものを支えにしていると、もしかしたら、
裏切られたり、なくなってしまった時に、簡単に人は壊れてしまうのかもしれない

だが、信じるモノがない人よりは、
なにであっても、信じるモノがあって、それを支えにすれば、人はどん底にいても、救われるのかもしれない

Hastingsにあるskaterの店
ここの落書きが好き

事故で夭折したプロのskater

時間の寄付 (vol.8)

さて、一概に、homelessのボランティアといっても、ありとあらゆる種類がある

何せ、サービスがすごいので
変な話、自分で提案して新しいvolunteer事業を持ち込むことも出来る
自分の特技を生かしたものを新設できるわけだ

たとえば、私なら陶芸教室とかもできたりする…

ボランティアで働いている人も様々で、高校生くらいから、定年後の人(80代の方にもお会いした)、
イケてるお兄ちゃんから、低所得者層の人までいる。

もちろん、中間層の働き盛りの歳の人もいる。

最初、驚いたのは、
わざわざ休みの日に、遊びざかりの若い子たちが、ボランティアをしていることである

カナダの履歴書では、ボランティアの項目があり、それを職歴として書くことができる。
仕事を探している人や職歴がない人が経験として印象を良くするために書けるのである。
また、こちらの高校では、卒業するための必須単位として、ボランティアをしなければならない。また、大学生や大学院生も専攻によっては、必須単位になってくる学生もいる。
かといって、別に慈善ボランティアである必要はないので、どこでするかは、自分で選べるらしいが。


2011年あたりの統計によると
熱心な信者は、年間平均して232時間volunteerをしているが
そうでない人でも、142時間している
(もちろん、言うまでもなく0時間の人もたくさんいる。これは、volunteerをしている人を対象にした数字)

だが、実際のところ
週に1,2回程度、お昼だけ配給を出している教会に関して見ていると
ほぼ95%の確立でその教会に通う信者で、残りは5%は、奉仕する代わりに食事をもらいに来る人だったりする

だが、毎日様々な支援をしているfirst united churchでは、教会の名と建物は変わらないが、すでに礼拝の場所さえ椅子も取っ払われて、簡易シェルターと憩いスペースとして開放されていたりするため、そもそも通いの信者すらいない。
なので、united church系(同じchristianだが、ちょっと宗派が違うらしい)の信者も働いてはいるだろうが、それ以外のChristianや、全くそうではない人もたくさんいる。
(礼拝の場に椅子があった頃の様子
椅子に沢山のhomelessが寝ている)


それから、そこのシェルターなどを利用している人などが、ボランティアで入っていたりするところもある。


さて、言うまでもなく、慈善事業は、ボランティアだけで成り立っているわけではなく、もちろん沢山のスタッフが雇用され、働いている。
ボランティアだけでは、荷が重すぎることが多いからである。
逆を言えば、ボランティアの登録人数はかなり多いが、実際に定期的に入るとも限らず、仕事が不安定になるため、スタッフが自ずとメインで働き、そのサブ的な感じでvolunteerが存在するわけである。

以前にも書いたが、慈善団体は、非営利団体になるため、利潤はないが、運営費としての資金は必要である。
見ていて思ったのだが、慈善非営利団体がvancouverの雇用をかなり生んでいると思う
もしもかしたら、
homelessや低所得者層が激減して、慈善団体の必要性がなくなってしまったら、かなりの失業者が出るのではないだろうか

それにより、新たにhomelessが増え、また、慈善団体が機能し始める…という、堂々巡りの社会システムに陥っている気がしてしまうのは、私だけだろうか…

2014/08/18

信仰と慈善 (vol.7)

バス停などで待っていると、教会関係の勧誘をする白シャツの爽やかな青年たちが笑顔で話しかけてくる
(何故か、私には話しかけてこないが…)

駅の入り口で、宗教勧誘のフライヤーを持った穏やかそうな人たちが交代で朝から、にこやかに立っている
(Granville station入り口に立つ宗教勧誘の人たち)


教会も多いし、教会関係の託児所的な学校やイベントも沢山あるので、
ほとんどの人が日曜日の朝に礼拝に行く熱心なchristianかというと、そうでもない

Vancouverだと
48.8%が、無宗教
36.2%が、キリスト教
5.7%が、仏教
続いて、シーク教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教などが続く
(2011年の調べ)

つまり、半数近くは、無宗教となる

この割合にも関わらず、多くの教会(宗教団体)によって大々的な手厚すぎる慈善事業が行われ、その運営費のほとんどが、donation(寄付)で成り立ち、たくさんのvolunteerが働いている

まず、カナダの登録宗教団体は、慈善団体として32,339団体
その他に、公的、私的団体が1,000近い団体が宗教関係の組織として登録されている

カナダは、日本のような宗教法人法のようなものがない

そのため、法的地位と税制度の関係で、宗教団体もひとつの慈善団体として位置づけられる
これには、連邦所得税の控除などのいくつかのメリットがでてくる
また、慈善団体は、非営利法人の資格を取得してからカナダ歳入庁に登録することがほとんどである

カナダ歳入庁(CRA)に、慈善団体として登録をするためには、以下の4つのカテゴリーのどれかに当てはまらなければならない

1. 貧困の救済...(困窮者への一時的な食事の提供、衣服の提供、家賃の低い住まいやアパートの提供など)
2. 教育の発展...(学校の設置 運営や奨学基金の運営、調査 研究、博物館などの運営など)
3. 宗教...(信仰を深める行ないなど)
4. 地域共同体にとり有益な事柄...(上記以外のことで、たとえば、環境保護や、高齢者や障害者の支援など)

上記のことから、特にVancouverのHastingsあたりの教会は自ずと貧困の救済や薬物アルコール依存の矯正をメインとした慈善団体になるわけである

さて、無宗教の人口が割と多いのに、donationとvolunteerがなぜ盛んなのか…

まずは、驚くほど多くのdonationに関する広告が、メディアに入っていることである。
たとえば、ラジオはCMの間に一回は、donationの広告が入る。
あと、自宅の電話にかかってくる音声広告も割とある。

また、donationを募るためのイベントも季節ごとに催されたりする

例えば、私が行ったもので、クリスマス前にホテルで行われた子供たちへのクリスマスプレゼントのdonationイベント。テレビ局主催らしい。
詳しくは12/11付けのBlog→ http://fukuchiayako.blogspot.ca/2013/12/blog-post_12.html?m=0


以前書いたが、不要なモノや服の寄付の文化は、一般市民にも根付いているが、お金とvolunteerになると、また話は別になってくる

カナダは、NPO団体の数と活動範囲、寄付額の多さは、世界第2位である
また、宗教団体に対する寄付額の多さは他の種類の組織に対する額を大きく上回る

最近は、日本でも広がりつつあるが、税金の控除になるため、企業や個人事業主が、慈善団体に寄付するということがある
カナダでも、カナダ歳入庁に登録されている慈善団体へ寄付した場合は、個人も企業も税金控除の対象になる
そして、企業側は、宣伝のためにも積極的に寄付している

現に、おそらく最大規模の支援をしている教会(UGM)では、政府の助成金を一切受けずに企業と個人からの寄付で成り立っている

では、個人に関しての寄付の場合なのだが、
日曜に礼拝に行く熱心な信者は、年間で一人当たり平均して$1,038
そうではない人で、$295
信者であっても、違う団体に寄付することもある。つまり信者であればあるほど慈善行為に熱心といえる
(もちろん、$0の人もいる。あくまで寄付をしている人の中での統計)

また、若い頃、親や学校の影響で教会に通っていた人は、現在は、通っていなくても、寄付に割と積極的である

こちらに住む熱心なChristianに話を聞いていたのだが、
彼らにとって金額の大きさは関係なくて、その行為や気持ちを重要としている
お金持ちの人が$10,000寄付しても、貧しい人が$1寄付しても、同じ意味をなす
相対的な価値で考えれば、もしかしたら、後者の方が金銭価値が高い可能性もある

と、この考え方が根底にある場合、熱心な信者は、とにかく寄付するだろう…と感じてしまった


2014/08/09

食事調査レポート (vol.6)

配給をしている幾つかの場所を実際に見てきて感じたことについて

⚫︎日曜のお昼に食事を配布している教会
そこは、downtownから少し離れたところにある教会で

その日の食事は、
チキンのオーブン焼きに、ポテト、サラダwithドレッシング
デザートに、ホットアップルパイのアイスクリーム添え(全てそこで作られている)
コーヒーや紅茶は、飲み放題で
パンはテーブルに何斤かあるので、自分で好きなだけ取れるようになっている

そこの場所には、色んな人がいた…
明らかにホームレスに見えない人たちとか…

ヒッピーぽい人
家族連れ
中国人とか…

驚いて、ボランティアのおばさんに

これは、ホームレスのための食事ではないの?
と、聞くと、

そうね、あと、貧しい家の人にもね。でも、明らかにそうじゃない人もいるわね。
と、苦笑いしていた

そこには、だいたい100人前後居たのではないかと思うのだが、
みんな、まーよく食べる食べる
お代わりを何回もしていくし、....デザートにいたるまで

そして、肥ている人が半数近くはいる…太りすぎて歩行補助をひいているのではないかと思うくらいの人もいる…

そして、そこに中国人が何人か混ざっている、彼らは、お金持ちのはずである(中国からの移民の人たちは、大概お金がかなりあるから)
もし、お金持ちでなかったとしても、中流階級…見たからにそうだから

中国人のおばちゃんたちは、何度も並び、食事を得ては、タッパーに詰めて、持って帰り
余った何斤かのパンも、それごと袋に詰めて、ゴロゴロを引いて持って帰っていた

しかも、中国人に関わらず、何人かはバスパス(バス電車の1ヶ月定期券 : $90/1month)まで持っている…ということは、ホームレスではないし、所得のある人のはず

もちろん、普通にホームレス風の人もいる


⚫︎また、別のHastingsにある教会
ここは、かなり大々的に色んな支援をしていて、毎日3食365日食事(+ Tea time )を提供しているのだが、
ここのは、そんなに豪華ではないし、あまり見た感じも惹かれないもので
大体1プレート

金曜日のお昼しか行ったことがないのだけど、毎週金曜日のランチは、インド風の謎な薄いカレー風味のリゾットのようなものとデザートのようなおかずのようなスウィートバター風味の何か(聞いたが、なんだかわからなかった)
お皿は茶一色である


水曜日は、フィッシュアンドチップスだったらしい
それと、色んなスーパーの余剰品から来たであろう食パンなどが袋ごと大量に箱に入っている

あと、水とジュースのタンクがある
インド料理だからか、インド風の音楽がかかっている

ここは、Hastingsのまん真ん中に位置しているだけあり、ホームレス風の人がほとんどで、少し並んで入る感じ
それ以外は、やはり中国人のおばちゃん、おじちゃん…(まーチャイナタウンがすぐ横だからね)が数人
逆に、日本人は全くいない…私以外に…

あまり、健康的な食事には感じられないし、バランスもよくはない
ちなみに、tea timeは、タルト系の焼き菓子が出る

⚫︎もう一箇所、ここは、バンクーバー内で一番大きく古くから支援をしている教会兼シェルターの一つで、アルコールとドラッグ中毒の矯正プログラムもあるところ

ここでも365日、朝昼晩と配給があるのだけれど、
私は昼だけしか行ったことがないのだが、
昼間は、まず12時からスタッフの食事になる、これが、すごく豪華
色んな部署があるのでそこで働くスタッフは、かなり多い
10種類くらいあるサラダバー(日本のファミレスより内容が豪華)、メインは選べて、スープ、ペイストリー(star bucksなどからの寄付とかある、コーヒーも!)、ドーナツ(たぶんドーナツ屋のTim Hortonからの寄付)、ドリンク…すべてビュッフェ形式となる

本日のランチ
フルーツやペイストリー、パンは取らなかったが
メインは、ドライトマトなどが入ったフライドライスにチキンの香味焼きが乗っかっていて、ブロッコリーが添えてある。スープは、ベーコンチャウダー。サラダは、自分で好きなだけ盛れるが、野菜を選んで自分でサラダを作るサラダバーではなくて、すでに色んなサラダが作られていて、それを色んな種類好きなだけとれる。
かなり美味しい。

ここの良いところは、quest food exchangeから来る食材をいかに美味しく提供するか、調理や盛り付け方にしても考えられている気がする。
これは、私の写真ではないが、ある日のランチ

あまりに食事が豪華なので、これをフリーの食事で出すのかと思って、驚いていたら、1:45〜2:45の外からやってくる人向けの配給の時のご飯は少し変わるらしい
サラダ、スープ、サンドウィッチ、ペイストリー、コーヒーなど、らしい。
その場にはいなかったが、
それでも、美味しいものが出されていると思う。

しかし、アルコールとドラッグ中毒の矯正プログラムをしている人たちは、スタッフと同じこの豪華な食事を食べられるらしい
たぶん、ここのシェルターにいる人もそうじゃないかと思う
中毒性のあるものでしか満たせなかった穴に、美味しく、健康的で、栄養価の高いご飯を満たせる

美味しいご飯と睡眠と安全が、人を安心させる一番の大切な要素な気がする

⚫︎あと、それ以外に、
かなり安い金額だが、$3ぐらい払って食べる場所
ここは、安いのに美味しい
しかもヘルシー
グラノーラからペイストリー、ドレッシングに至るまで全て手作りである。
こちらは、ある日のディナー
ベジタリアンと、肉入りを選べる上に、フルーツとサラダ付き
トマトとイタリアンソーセージのソースと、バジルのフェトチーネ、それにグリーンサラダ。レンズ豆のスープ。

たしか木曜日は、ビーガンデーということで、一切動物性の食材を使わないメニューになったりする

ここは、誰でも食べに来れる
他の配給所も、実質は、そうできるけど…まー普通は来ない…

しかし、ここだけは、ちょっと客層が変わる
街にいそうな家族も食べに来たりする
スケボーを持った人もいるし
本当にたまに、私以外の日本人も食べに来たりする、ごくまれに…
もちろん、低所得者層の人もいるし
近所の人や近くで働く人も来たりする

あと、私が、East Hastingsツアーで希望者を連れていったりするけど…


どこの食事も温かく、美味しい
そして、清潔である

食材も選ばれていたり、お金をほんの少し払えば、チョイスも広がったりする
与えられるだけのものではなく、少額支払えば選ぶ権利が得られるわけだ

そして、どこも、年齢層もバックグラウンドも様々な沢山のボランティアが働きに来ている