2022/02/20

アマプラ視聴覚書3

 仕事しながら、まとめて映画視聴したので覚書

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かなり好みだった映画まとめ

#家へ帰ろう 
アルゼンチンからポーランドへ、70年前の友人との約束を果たしに行くおじいちゃんのロードムービー。88歳でユダヤ人、故郷がポーランドとあれば、おのずと過去が想像できる。頑なだけど、頑なになるだけの理由もあり、ホロコーストサバイバーには、地獄の後にも人生の時間は他の人と同じように続いていく。本当に良い映画で、最後は涙がボロボロ出た。

#わたしはダニエルブレイク  
これは、わかりやすい映画である、そして考えさせられるとても良い映画だった。イギリスの社会保障制度と貧困について左翼的なケンローチ監督(当時80歳)が撮った怒りの映画である。これはどこにでも起こりうることであり、厳しい現実を突きつけられるが、社会派映画としても見る価値のある映画。名もなく貧しく美しく、だがそれだけで生きるには限界がある。

#希望のかなた  
観ようと思ってて劇場で見そびれた作品。やはりこれも本当に良い映画だった。乾いた可笑しみと優しさと哀愁とが流れる中で市井の人々が描かれている。みんな無表情でセリフもかなり少なく、結構な状況に置かれているのに全てが淡々と静かに進んでいくが、心にじんわりと温もりを残していく。事情を抱えていない人などいないのだから、せめて目の前の人に優しくなりたいと思う。アキカウリスマキ監督の難民3部作の内の1つ。

#パターソン  
これも劇場で見そびれた映画。なんと詩的な映画なんだろう。劇中で詩の朗読が入る映画は好きだ、そしてこの映画は粛々と低音で朗読される詩が穏やかで規則正しい日々の生活やパターソンの風景と重なり合って美しく色をなす。この映画は、もはや詩である。詩が苦手な人にはこの映画は向かないんじゃないかと思う。秘密のノートは私にもある。あと、マーヴィン(犬) がかわいい。

#パンズラビリンス  
スペインのフランコ政権下の悲惨な内戦(対レジスタンス)の映画で、少女のファンタジー物だと思ってみると心がエグられるので注意。ダンサーインザダークと似たものを感じた…。それにしても1944年、全ヨーロッパが戦禍の時(D-dayの時)にスペインがこんな状態だとは知らなく驚いて、映画の後に大戦中のスペインの立ち位置を調べてしまった。ペイルマンの造形の秀逸さと演出は神懸かっている、ペイルマンを見るだけでも価値のある映画。※注意:何度もいうが戦争映画だからね。


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#ストーリーオブマイライフわたしの若草物語  
#若草物語 

なんてこった…

小学生の時に好きだった、若草物語。
アニメから入って、その頃活字嫌いだった私が、家にあった児童文学全集の中にあった本さえも引っ張り出して読んだ、若草物語。

しかし小学生以来すっかり触れていなかったので、ストーリーがうろ覚えだったし、アニメの4姉妹の印象が強かったので、初めは少し慣れなかったが、、、なんのその。

見ている内に、あぁそうだ、このシーンあのシーンとどんどん思い出していき、もう涙なしには見られない。

思い入れが強い分、思い出補正が凄すぎるかもしれないが、この映画は子供の頃に若草物語が好きだった我らのための映画だと思う。

あぁ、素晴らしい児童文学を一冊読み終えた充実感。

ジョー役のシアーシャ・ローナンが可愛すぎる。

一番原作のイメージに近かったのが、ローリーかな。

個人的にとてもよかったので、視聴直後に感想。
ずっとウォッチリストに入れていたのだが、未視聴で、アマプラでもうすぐ配信終了ってお知らせが出てて慌てて観た。
が、見てよかった。

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評価は高いみたいだけど……ミステリー系まとめ

#ギルティ  #theguilty  
カメラに映る人と場所はほとんど変わらずに、音だけで展開していく映画。
一人芝居や演劇に近い。いつもよりも受け取る情報が遮断されると、色んな想像を掻き立てられるし、この映画でいえば、主人公と鑑賞者が同じ状況で情報が開示されていくことになるのが面白い。

#ラストディール美術商と名前を失くした肖像  
祖父と孫の関係がとても良い。家族に対して善い人ではなくても、何かに対しては真摯に取り組んでいて、その部分を伺い知れた時に、何か諦めと赦しのような感情が芽生えるものなのかもしれない。
良い目利きは、良い作り手になりえるのか。

#9人の翻訳家囚われたベストセラー  
ベストセラーを世界同時発売するために、翻訳家を数ヶ月監禁するということに驚いたが、現実でもあるらしい。監視付きで他人もいる仕事場はやりづらいけど、それ以外の施設がものすごく充実していて半年くらいの監禁ならば、ちょっと羨ましい。作家が翻訳家をしている場合も多いけど、翻訳家で作家になりたい人にとってこの仕事は色んな意味でストレスがすごそう。

#ナイブズアウト名探偵と刃の館の秘密  
ダニエル・クレイグが出ているとは知らなかったので、探偵(主役)で出てることに見てから気づく。設定が現代だけど、なんだかノスタルジックでもあり、アガサ・クリスティ的な映画。最初に事件が起きて、それについて色んな登場人物が事情聴取されていき、犯人を当てるって話で、探偵のキャラクターは掘り下げないので、名探偵クレイグ(実はボンドなんでしょ?)って印象だけで終わる。

#ローズの秘密の頁  
これは、設定と背景を知らないと内容がなかなか読み解けない気がする。
時代は第二次世界大戦中になるのだが、北アイルランド問題と、カトリックとプロテスタントの事情を知らないと、なんか可哀想な話だけどなんでそうなった?っとなる気がするんだけど。それ踏まえ理解したら、なんか可哀想なローズがもっと可愛そうなローズに感じられると思う。

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きな臭いこんな時期なので東ドイツ舞台のもの
#東ドイツ 
#東西冷戦  


#善き人のためのソナタ  
誰もが認める良い映画なのだろうが、終始陰鬱で辛さを伴う。
シュタージのヴィースラーが、本当に『灰色の男』にしか見えない。凍って感覚の無くした体を溶かし始めて感覚が戻っていく過程は激痛をともなうと思う。それと同じで灰色の男が人間の心を取り戻す過程は、必要な行為であったとしても見ているこっちまでヒリヒリと痛くなる。
ナチ台頭時と東西分裂時の描写のあるドイツ映画は、陰鬱さや不穏な空気感がすごく似ている。
だとしてもこの映画は、耐えて最後まで見てこそなんだけど。

#グッバイレーニン  
面白く愛すべきとても良い映画。アレックスたちの家族愛もよい。
西側目線の東ドイツ作品は割と多いが、これは東側目線の東ドイツ。
1989年の東西統一の直前で意識を失い、その8ヶ月後に目覚めるなんて、異世界転生と同じ状況だと思う。
知識だけだと政治的な圧力や監視ばかりが目にいってしまうが、東ドイツに住んでいる普通の人たちの生活は西側が思うほどひどいものではなかったのではないかと思うし、再統一によっても経済格差は埋まらず旧東側の失業も深刻になったのも事実。
同僚のデニスが作るDDRのフェイクニュースの最後のイェーンの演説は、今の世界を思うと本当に心に響くものがある。
あと、ララは天使。

#東ベルリンから来た女  
1980年の東側の海沿いの地方が舞台。全編地味で暗く物悲しい感じで静かに過ぎていく。
音楽よりも強く吹く風の音が耳に残る映画。人を寄せ付けず煙草と濃い化粧のニーナ・ホスの圧倒的な美しさ。
明るさや希望が見えない中でそれでもそこでやるべきことを淡々とこなし生きていく選択をする人たち。

#ドイツ1983 
1983年の東ドイツから西ドイツへ諜報しに行く青年の連続ドラマ。8話構成で、あの時代の史実、社会、文化、世相、音楽がうまく織り交ぜられていて、一気に見てしまった。冷戦時、いくつかの危機的な状況があって、毎回薄皮一枚で繋がり核戦争せずに済んだ状況の一つを取り上げている。コメディでは全くないのだが、振り回される人たちにブラックな面白さがある。
続きのシリーズで、1986と1989があるらしく、すごく見たい…
グッバイ、レーニン!でも思ったけど、西側に比べて東側の家族愛の強さが際立っている。

2022/02/16

アマプラ視聴覚書2

 


仕事しながら、まとめて映画視聴したので覚書

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#ロープ戦場の生命線  
ユーゴスラビア紛争停戦中のNGOによるロードムービー。非日常の中での日常という異常さがシュールでコミカルですらある。これは、なんか面白かった。国際紛争ではないので、第三国は援助さえも制限があり、やり切れないことばかりなのにそれでも活動を続けるこの場所が彼らにとっての日常なのだろう。

#グリーンブック 
映画館の予告で気になってた映画。良い映画なんだと思う、アカデミー賞も獲ったし、評価も良いし。いい映画なんだろうが…そこまでだったな…。実話だそうだけど、差別は扱っているがファミリー向け映画という感じ。期待していた分がっかり。

#ジーサンズ 
邦題ひどいが、役者は素晴らしい。こんな友達がいれば、老いても悪くない。年金も出ず家が抵当に入り老後にお金がないのは多くの人が直面することだけど、こんな素敵な友人がいる人はどれほどいるのだろうか。若い内にやれることとして、お金を稼ぐのと、最高の友人を作ることならば稼ぐ方が難しくないのかもしれない…悲しいかな。

#ネブラスカふたつの心をつなぐ旅  
良い映画だったし、本当に身につまされる。認知症気味の老いた父親と中年の息子とのロードムービー。父親に付き合う孝行息子の優しさに、こういう子でありたいと思うものの、実際はなかなか難しいのも身に染みているが、老いた親のいる人にぜひ見てもらいたいな。口は悪いけど肝の座った母親あってのこの家族でもある。 

#ウインドリバー  
実話というのが…本当にやり切れない。現代社会が抱えるネイティブアメリカンの居留地問題。暗く静かに続く真っ白の閉ざされた凍えた土地。この映画は、見てよかった。映画自体も面白いが、見た後に心に残り、考えずにはいられなくなる。
 

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#ジョーカー 
これは、上映中から見たかった映画。たるんだ白ブリーフのホアキン・フェニックスのジョーカーも不気味で良いな。ジョーカーになりたかった男のパラノイアなのか、見ている側もどこまでが現実でどこからが妄想かわからなくなる。これでジョーカーになってしまえるのなら、ゴッサムシティに限らず日本でもジョーカーがいっぱい生まれてしまう…日本にはバットマンがいないのにそれは困る。攻殻機動隊の「飽食の僕」であり、デ・ニーロの「タクシードライバー」を思い出す。

#裏切りのサーカス 
タイトルで完全にサーカスの話だと思っていたが、全く関係ない、イギリスの秘密情報部の通称名がサーカス、そんなの知らないよ…。派手さがないが映像のセンスと役者の良さで見ていられるが、かなり話が混み入ってて途中まで状況が掴めない…最後はスッキリするけど、観る前に解説を読んだ方がいいと言うのには納得。

#交渉人  
凄腕の交渉人設定だけど、頭脳戦とかあまり無いので、ちゃんと交渉をしている感じがしないけど、内容はエンタメ的で面白い。色々疑問は残るけど、ケビン・スペイシーに免じて納得することにする。どうでも良いけど、セブンの時はケビン・スペイシーに全く気付かなかった…

#ハクソーリッジ 
宗教映画として見るべきかもしれない。
ブログに長めに感想あり。https://fukuchiayako.blogspot.com/2021/07/blog-post.html

#フルメタルジャケット 
前半部分は下品なセリフ以外出てこない。後半は戦争を淡々と映している。
そして、ミッキーマウスマーチ。

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仕事しながら、まとめて海外ドラマ(BBCサスペンス系)を視聴したので、面白かったものを覚書

#ホワイトチャペル終わりなき殺意  
シーズン1-4 全18話 
歴史的はイギリス犯罪史とオカルト要素の濃い、ダークサスペンス。猟奇系の事件が多く、シーズンが進むごとにどんどん画面も暗くなっていく。潔癖キャリアと昔気質の刑事と犯罪オタクの組み合わせがまた良い。タイガーバームが気になりすぎて、視聴後、同じことを試してみた。

#新米刑事モースオックスフォード事件簿  
シーズン1  全9話
ものすごく好みのドラマ、1番のオススメ。音楽もいいし、内容もいい、展開も良い。Amazonでシーズン2以降もやってほしい…本国でシャーロックと並ぶ人気らしいが、頷ける。モース警部の若い頃らしい。とにかく気に入った。続き、早く!!

#刑事ヴァランダー  
シーズン1-4  全12話 
2シーズンくらい過ぎてやっとスウェーデンが舞台だと気づいた…警官の制服が違うなー、なんでクローナ使ってるのかなー…とか思っていたが…全編英語なのもあり、ずっとイギリスの話だと思っていた。主人公が鬱っぽくて、事件以外にも家族について人生についてシーズンを追うごとに深く重くなっていく。中高年の刑事の良質な人生ドラマ。

#ハッピーバレー復讐の町  
シーズン1-2 全12話
地味だけど、内容がしっかりしている。田舎町が舞台で、等身大の登場人物たちの職場、家族、人間関係、過去など心の葛藤や状況が丁寧にとてもリアルに描かれている。怒りや悲しみを抱えながら、苦悩し、それに折り合いをつけながら、事件を解決していく。

#埋もれる殺意  
シーズン1-3 全18話
1シーズンごとに一つの事件。白骨が見つかることでそれが捜査の起点となるので、まずは遺骨の特定から始まり、そして犯行当時から時間が経っているだけに、容疑者や関係者など何十年も日常を送っていた人たちの過去が掘り起こされていく。事件も関係者の生活も、そして主人公の私生活も丁寧に描かれている。