2015/09/30

夏の終りの短い読書感想文

最近、ほとんど小説を読んでいなかったので、久々の読んだ本の覚書

●『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介
(2015年9月の北九州旅行中)

内容的に、旅行にはちょっとむかなかったけど、移動中に読んでいて成田に着陸と同時に読み終わった。ゆがんだ世界で、純粋でゆがんだ思考で進められていくちょっと胸くそ悪い話だけど、やめられなかった。ほんの読み始めの2ページ目の妹のミカのくだりが頭から離れなかったから、余計読み進めなければならなくなった気もする。視点が変わると全然違う世界が出来上がる。犬の名前は、ラッキー(lucky)っぽくないので→ダイキチ(大吉)となる。
7、8年くらい道尾さんの本を読みたいなと思っていたのに、なんとなく初道尾作品になってしまったけど、内容はともかく描写とか文章の表現は好きだなと思う。今年は残暑がなくて肌寒いので、真夏に読んだらまた雰囲気が出るんだろうな。





●『ソロモンの犬』 道尾秀介
(2015年9月末)

続けて道尾作品を読んでみる。動物がキーマン(ドッグ?)になる話を良く書くのか、たまたまなのか。ミステリーというか、青春群像劇。前半の丁寧な書き方とか、個性的なキャラクターや人間描写は面白かったけど、事件の真相については個人的にはあまり腑に落ちなかったかもな。riverside cafe SUN'sって…ま、書き方は面白いけどね。でもすぐに忘れそうな内容。犬の名前は、odebient dog=従順な犬、忠犬からオービー。
「男性は高い声の発生源に対して本能的に保護欲を抱く。赤ちゃんとかね。女性はそのことを先天的に知っているから、好きな相手に話しかけるときには体内で女性ホルモンが盛んに分泌されて、自然と声が高くなる。―」「一つアドバイスさせてもらうと、もし想いを伝えるときは、なるべく低い声を出したほうがいい。男性ホルモンの分泌具合をアピールできるから、成功率が上がるよ」 動物生態学の間宮助教授からの恋愛アドバイスです。犬を相手にするときに、声が高くなる人はよく知っているが…。




●『姑獲鳥の夏 上・下』 百鬼夜行シリーズ1 京極夏彦
(2015年9月末)

軽く辞書並みに分厚い文庫本の百鬼夜行シリーズの中で一番薄めらしいが(630頁)、重いと手が疲れるので、上下巻に分かれているモノにした。
有名な作品なので言わずもがなだろうが、実際存在は知っていたけど、苦手なホラー小説で、すごい怖いのかなっと敬遠していたのだが、はっきり言って、ホラーじゃない、ミステリーというか…個性的なキャラクターと彼らの掛け合いと薀蓄と世界観とおどろおどろしい雰囲気を楽しむ小説だと思う。
自分が割と好きな時代設定(太平洋戦争直後)なこと、好きな職業の主要登場人物ばかり出てくるのと(偏屈で理屈屋の陰陽師兼古書店主・躁病で変人な華族探偵・鬱病で対人恐怖症のモノ書き・角刈り強面の熱血刑事・明朗活発でボーイッシュな女編集記者)、それぞれのキャラクターがあまりにも立ち過ぎているのでちょっと漫画っぽくて、勝手に彼らが動いてくれるので読んでいて愉しい。
 
 
 
●『魍魎の匣 上・中・下』 百鬼夜行シリーズ2 京極夏彦
(2015年9月末) 
 
前作が京極さんのデビュー作だったことを知って驚いた。ということで(?)前回よりも、一段とおもしろくなっている。ちなみに今回は1060頁もあるので、こちらは3冊に分かれている…ちょっと長い。日本の文学のじめっとした湿度感とか、背徳感のある美しさとかぞくぞくする艶めかしさみたいな美意識がとても好きなのだが、そういった雰囲気が前作以上にあった。乱歩っぽいな。中でも鬱病文士・関口の病んだ心象描写と変人探偵・榎木津の飄々とした言動が、個人的にとても好み。相変わらずの京極堂(偏屈古書店主)の多岐にわたる蘊蓄がつらつらと書かれているけど、中でも霊能師・占い師・超能力者・宗教者についての区分(住み分け?)の蘊蓄は、言い得て妙で面白かった。
 
・・・しかしさすがに短期間に活字読みすぎて、ちょっと疲れた。
 
 
 
下のは春に読んでた分の覚書
 
 
●『精霊の守り人』~『流れ行く者』 守り人シリーズ(11冊) 上橋菜穂子
(2015年3~4月あたり)
 
十二国記シリーズ(小野不由美)が好きなので、それに近いということで、姉に薦められる。冒険ファンタジー、巻を追うごとに様々な国を巻き込んでどんどん大変なことになっていく。世界観や話の作り込みがしっかりしているし、超人的な人は出てきても心理描写(特にタンダがもっとも読者に近いと思う)もしっかりしているので感情移入もする。世界中に先住民からの伝承、民話、神話があると思うが、作者が文化人類学者なためか、そういったものがベースになっている様で、懐かしさも感じる。最終章に出てくる戦役による負傷者の洞穴の中での描写は、おばぁの沖縄戦の話をなんとなく思い出した。とにかく出てくる食べ物がめちゃくちゃ美味しそう!(『バルサの食卓』というシリーズ内の食べ物だけの本も出ているし、アニメの精霊の守り人の公式HPにも今週ノ飯という特設ページまである)

2015/09/16

それでも僕は帰る "The Return to Homs"

※まったく政治的なことは触れたくないし、単に映画の感想と個人的に思ったこと

2~3ヶ月くらいテレビを見ていなかったのだけど、
久しぶりに見ていたら、
やっと地上波のニュースでも難民問題を割ととりあげられるようになったのか、と思ったら
問題が別の意味でかなり進んでいた

6月あたりから、この映画をずっと見たかったのだけど、
外に出る時間もなくて、終わってしまったかな~と思っていたら、
まだ上映していたので、搬入の荷物発送出来たので、展示の前日に観に行くことができた


2011年、日本が大震災にみまわれたほぼ同時期に、チュニジアを皮切りに広まったアラブの春
その時、シリアの若者も、二代に渡る独裁のアサド政権の圧政に反旗を翻すべく立ち上がりつつあった。
アサドに楯突くと、血の海になると恐れをなす年配者たちをよそに、はじめは平和的な訴えをしていた。非暴力だった集会は、政府軍の圧倒的な武力と非情な暴力により多くの市民が虐殺される結果になる。
刻一刻と、拡大する戦火にホムスの街は壊滅状態になる。
報道規制がかかっているため、海外に情報が出ることもなく、漏れ聞こえるわずかな情報から戦争状態にあることが世界に伝わり、NATOや国連の視察が入ることとなる。
そんな状態なのが、2011年から2013年にかけて命がけで撮られたこのドキュメンタリーだった。

そして、現在、そこにイスラム国(ISIL)が加わり、2014年から反政府軍、政府軍、ISIL、アルカーイダ、クルド人、そして、宗教間、宗派間、民族間による燦々たる戦場と化しているらしい。
NATOや国連は、はじめは対アサド政権だったのだか、ISILの台頭により対ISILを掲げるアサド政権を支持せざるをえず、戦況は混乱をきたしている
 
2011年から続くこのシリア騒乱による死者は、わかっている内で22万人越え
難民として国外へ逃れた数が、400万人を超えたという


サッカーのユース代表で当時19歳のバセットと、その友人の当時24歳の市民カメラマンのオサマを主軸に映像は進んでいくのだが
平和的に民主化を望んでいた彼らの想い、希望、行動、感情、表情、そしてそれぞれの考えが、翻弄され変化していくのが、まざまざと映し出されていた

 

ちょっと話が戻るのだけど

夏にドイツを旅行していた時に、カレンダーを見たら、8月15日が祝日になっていた。
あれ?終戦記念日かなと思ったのだけど、良く考えればこの日は日本の終戦で、ドイツの終戦は少し早い5月8日だった
単に、終戦とは関係のないキリスト教の祝日だった

今年は戦後70年、あと物議をかもしているあの法案で、きっと色んな所で沢山の特番が組まれていたのだろうと思う

過去の戦争は、映画や当時の映像や話など、それだけでも本当に怖くて、子供の時にトラウマになった
今でも、恐怖から、知ることに少し抵抗さえある
もしかしたら
生れる前の戦争だからとか、近代兵器が使われる前の戦争だからとか、
過去のことだと割り切ってしまえば、積極的に知ることができるのかもしれない

でも、悲惨だったと過去形で語られるはずの惨状は、
今この現時点で、中東で、アフリカで、アジアで、ウクライナで、行われていて
全然、過去じゃない
70年前の映像や特集を見ると、2015年の現実とダブってしまう

今、この瞬間に
砲弾に逃げまどい、飢えや非常な暴力により倒れ
恐怖におびえる人たちがいて
もちろん危険で途方もない経路で国外に逃げてくるたくさんの人たちがいて
その陰で、何十倍もの難民として逃げることもできない人たちがいて
自分や家族や自由を守るために選択肢もなく武器をとる人がいて
貧困や私怨から武装グループに志願せざるを得ない少年がいて

多くの場合が70年前の白兵戦と変わらなく、樽型爆弾の様な旧型としかいえない兵器も多用されている
その上、近代兵器や化学兵器も当然のように使われている
過去の映像や沖縄戦などの話の悲惨さと、何一つ変わっていない

戦争は日本にとっては語り継ぐべき過去の出来事かもしれない、そして、未来に起こるかもしれないと叫んでいる人たちも今はたくさんいるけれど
この時点で過去でも未来でもなく、世界では、今この瞬間の話だということに気付くことが何よりの恐怖な気がした

戦争は憎むべきもので、もしも根絶できるならば、それに越したことはないし
自国の恒久的な平和を望む気持ちは誰の中にでもあると思う

だけど地球人は、同じ地球という宇宙船に乗っているクルーで、
何一つ変わらないはずの人間なのに、
武器を持ち他人の命を奪うことに躊躇しなくなる現実や、
同じ重さのはずの命が尊厳もなく踏みつけられている現実は、おかしいと思う
何かすることはできないのかと考えたが
無力な自分は、まずは知ることだと思った

日本はあまり海外のニュースを報道しない
もちろん地続きの欧州に比べたら、危機感があまりないのかもしれないし
単一民族というのもあって、少し遠く感じるのかもしれない

どうか、知るだけでも知ってくださいと、シリアの人がこのドキュメンタリーを薦めていた

カナダに留学に来ていたシリア人の男の子に、戦争は終わったの?と聞いていたブラジリアンの男の子
自分の立っている場所からなんて遠いのだろうと、悲しくなった。


 
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solo exhibition
by FUKUCHIAYAKO
 in Saga
 
ふくちあやこ展(佐賀)のコクチ
↓↓




title: [ Hyena , from Noah ]
size: 9×2.5×H5.5㎝


ふくちあやこ展

2015年9月17日(木)~9月27日(日)
10:30~19:00

在廊日 9月17日(午後から)、18日


あづま堂

〒840-0813 佐賀県佐賀市唐人二丁目4-6
TEL0952-22-7851
アクセスJR長崎本線佐賀駅降車、徒歩約5分


FUKUCHIAYAKO
 solo exhibition

September 17 ~ 27 , 2015
10:30am ~ 7:00pm

ADUMA DOU, Saga

in Kyusyu

 
 

2015/09/12

動物のオブジェ my new artwork part3

小さなカラフルな動物のオブジェ

these are small animal sculpture.
there are about 20 kinds of animals i shaped from clay.
this series is "noah" .
size: about W5~7cm*D2.5cm*H4.5~6cm
アリクイ
Anteater

ビーバー
Beaver

タスマニアンデビル
Tasmanian devil

ウォンバット
Wombat

バク
 Tapir

カピバラ
capybara

リャマ
 llama
一般的な動物はあんまりいないかもしれないです
背中に乗っている鳥は、キノコをかぶっています

梱包後
wraped them up


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my new artworks part1
↓↓

http://fukuchiayako.blogspot.jp/2015/09/my-new-art-works.html




my new artworks as tableware part2
↓↓
http://fukuchiayako.blogspot.jp/2015/09/my-new-artwork-as-tableware-part2.html

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solo exhibition
by FUKUCHIAYAKO
 in Saga
 
ふくちあやこ展(佐賀)のコクチ
↓↓



title: [ Hyena , from Noah ]
size: 9×2.5×H5.5㎝


ふくちあやこ展

2015年9月17日(木)~9月27日(日)
10:30~19:00

在廊日 9月17日(午後から)、18日


あづま堂

〒840-0813 佐賀県佐賀市唐人二丁目4-6
TEL0952-22-7851
アクセスJR長崎本線佐賀駅降車、徒歩約5分


FUKUCHIAYAKO
 solo exhibition

September 17 ~ 27 , 2015
10:30am ~ 7:00pm

ADUMA DOU, Saga

in Kyusyu
 

新しい食器類 my new artwork as tableware part2

 
※ 食器も全て手びねりです ※
 
ニッポンムカシバナシ
(お湯呑み)
絵柄は日本昔話の4コマになっています
 
Japanese tea cups 
i painted some fairy tale of  Japan on them.
桃太郎

浦島太郎

かぐや姫

サルカニ合戦

サルカニ合戦(側面)

カチカチ山

カチカチ山(側面)

因幡の白兎

笠地蔵

笠地蔵(側面)

空耳頭巾

空耳頭巾(側面)

鶴の恩返し

おむすびころり
 

金太郎
これ、動画がうまくいっていれば、
4面の絵が出てるはず
 
 
 セカイメイサクゲキジョウ
 
今回は完全に人形劇になっています
形は三種類あります
絵柄は6つくらいあります
 
new cups and saucers
there are three kinds of shapes
all of them were made by hand
 


 
 
馬上盃
sake cups…maybe
 

this title is "konomi", it means nuts in japanese
they look like nuts and fruits, right?

一輪挿し
small flower vases




今回も、130点くらいあります


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my new artworks part1
↓↓

http://fukuchiayako.blogspot.jp/2015/09/my-new-art-works.html
 ××
my new artworks part3
↓↓
http://fukuchiayako.blogspot.jp/2015/09/my-new-artwork-part3.html

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solo exhibition
by FUKUCHIAYAKO
 in Saga
 
ふくちあやこ展(佐賀)のコクチ
↓↓
http://fukuchiayako.blogspot.jp/2015/08/solo-exhibition-by-fukuchiayako.html
title: [ Hyena , from Noah ]
size: 9×2.5×H5.5㎝


ふくちあやこ展

2015年9月17日(木)~9月27日(日)
10:30~19:00

在廊日 9月17日(午後から)、18日


あづま堂

〒840-0813 佐賀県佐賀市唐人二丁目4-6
TEL0952-22-7851
アクセスJR長崎本線佐賀駅降車、徒歩約5分


FUKUCHIAYAKO
 solo exhibition

September 17 ~ 27 , 2015
10:30am ~ 7:00pm

ADUMA DOU, Saga

in Kyusyu

2015/09/11

今回の作品で、小さい箱 my new art works

会場が遠方なので、紹介まで

小さい陶箱です
サイズ的には、箱の大きさが外寸で約7cm×4.5cm×H3cm弱くらい
(立体の人の大きさが小指の第一関節くらいかな)
まー写真で想像するよりは、小さいと思います

my new art works
they're small boxies out of clay.
size: about 7cm*4.5cm*H2.5~7cm

Little Mermaid
人魚姫

Alice's Adventures in Wonderland
アリス
 

Peter Pan
ピーターパン(星空)

Snow-white and Rose-red
白雪と紅バラ

Journey to the West
西遊記

Peter Pan
ピーターパン(ワニ)
 

The Pied Piper of Hamelin
ハーメルン

Snow White
白雪姫(りんご)

Puss in Boots
長靴をはいたネコ
(DMの作品)

Three Little Pigs
三匹のこぶた
Snow White
白雪姫(小人)
中はこんな感じです
蓋の裏も模様が有ります

拡大
小指の第一関節くらいの小人7人
1人パンチパーマがいます
 
 
 
作業工程的には
 
これが
線を描いていない時のなんて、
謎な突起のあるへんてこな形をしていて、何が何だかだと思いますが・・
 
 
 
 こうなって
ほぼ真っ白です・・・
 
 
 こうなります



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my new artworks as tableware part2
↓↓
http://fukuchiayako.blogspot.jp/2015/09/my-new-artwork-as-tableware-part2.html


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my new artworks part3
↓↓
http://fukuchiayako.blogspot.jp/2015/09/my-new-artwork-part3.html

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ふくちあやこ展(佐賀)のコクチ
↓↓


title: [ Hyena , from Noah ]
size: 9×2.5×H5.5㎝


ふくちあやこ展

2015年9月17日(木)~9月27日(日)
10:30~19:00

在廊日 9月17日(午後から)、18日


あづま堂

〒840-0813 佐賀県佐賀市唐人二丁目4-6
TEL0952-22-7851
アクセスJR長崎本線佐賀駅降車、徒歩約5分


FUKUCHIAYAKO
 solo exhibition

September 17 ~ 27 , 2015
10:30am ~ 7:00pm

ADUMA DOU, Saga

in Kyusyu