2020/01/18

㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その1

”㉑参考資料の感想(ドキュメンタリー編)Auschwitz-Birkenau編14”につづき、映画編。

20代後半あたりまで、近現代の戦争描写のある本や映画やテレビ、資料館などを徹底的に避けてきた。
小さい頃に子供会で見させられた、戦争の悲惨さを伝えるアニメ映画がトラウマになり、夜も寝れなくなったのが原因だったので、とりわけ映像が怖くて見れなかった。

なので、かなり有名なものも含め、今回が初見になる。恐れ多くも★評価してみた…というか、映画の良し悪しよりも単に自分の好みの評価。

※数が多いので、”㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その2”に続きます。

 『戦場のピアニスト』(2002年/フランス・ポーランド)★★★


ユダヤ系ポーランド人の名ピアニストであるウワディスワフ・シュピルマンの戦時下の体験記を元に描いている。
ワルシャワへ行く前に観ておけば良かったと思った。ゲットー、2つの蜂起、壊滅したワルシャワ、そしてショパン。
この映画は、本当に素晴らしかった。感情移入をさせないよう、坦々と映す戦時下のワルシャワは、むごく虚しくてやるせなく、そして悲しいまでに無力に見えた。
ドイツ人将校役のトーマス・クレッチマンが、役的にもかなりイケメンでした。

ワルシャワ歴史地区について→ ④壊された街、壊せなかった想い (2018/6月) ゲットーについて→ ⑤ワルシャワ・ゲットー (2018/6月)

 『ソハの地下水道』(2011年/ポーランド・ドイツ)★★★


ナチス占領下のポーランドで、下水道業者のソハがユダヤ人を地下水道に匿った実話を映画化。
本当に見ていて辛くなるが、とても良い映画。
“戦場のピアニスト”でも、”地下水道”でも感じたが、生い立ちで戦争に深く関わったことのある監督(たまたま全員ポーランド出身だが)の描く戦争は、どこかに肩入れするでもなく、共感や感動をさせるわけでもなく、坦々と情景を描き、立場に関係なく生身の人間を描いている。
涙を誘う描き方や英雄を作り出すのは、戦争を知識として知った人で、体験した人はただ坦々と醜さを表すだけに思うが反戦映画となるのは、やはり後者だと思う。

As if we need GOD to punish each other.(劇中エピローグより)

 『ヒトラーの贋札』(2007年/ドイツ・オーストリア)★★


強制収容所内で行われていたナチスによる偽札作り”ベルンハルト作戦(国家機関によるものだと史上最大)”の実話を基にした作品。色んな意味での”内と外”の見せ方や対比が印象的。オープニングとエンディングで流れるカルロス・ガルデルの”mano a mano”(演奏Hugo Diaz)は、”五分と五分”という意味だと誰かの感想で書いてあった。音と音楽の使い方が秀逸。

内容に関係ないが、ブルガー役のアウグスト・ディールがとても美しい(骨格)。

 『帰ってきたヒトラー』(2015年/ドイツ)★★★


1945年のヒトラーが、自殺の瞬間から現代のベルリンにタイムリープするという荒唐無稽のコメディー映画。が、かなりの社会派映画。大筋は社会風刺的でコメディータッチだが、スタジオ以外の街頭市民、ネオナチ、NPD(ドイツの極右政党)との撮影は基本アポ無しらしくて、難民問題による二極化や景気低迷、政治不信のドイツ国内の様子を如実に映し出すことで、警鐘を鳴らしていた。とても面白かったが、視聴後、考え込む。

 『黄色い星の子供たち』(2010年/フランス)★


ナチス占領下のフランスで行われた(仏政府も協力した)ユダヤ人の一斉検挙(ヴェル・ディヴ事件)を題材にした映画。
子供たちが可愛い…ので、尚更悲しい。。。
ジャン・レノは、客寄せパンダ的な効果を狙ったのかな…肥えているし彼である必要はないと思うけど、この手の映画に観る人が増えるためなら良いのかもしれない。

 『サラの鍵』(2010年/フランス)★


これも、”黄色い星の子供たち”と同じくヴェル・ディヴ事件を取り扱ったもの。
現代のジャーナリストの視点から過去を掘り起こしていく。
こちらの方が、好きかな。
職場で記事について会議中に、
“(戦時中に)こんな(悲惨な)ことがパリの真ん中で起きていたなんて吐き気がするわ。”と言った女性の同僚に、
”じゃあ、あなたがもしその場にいたら何をしたと思う?”と問いかける主人公。
別の同僚が、”たぶんテレビで見ているだけだね、イラク戦争の時みたいに。”と答えていた。
いつだって傍観者で居続けてしまう、自分の身に降りかからない限りは。

 『ハンナ・アーレント』(2012年/ドイツ・ルクセンブルク・フランス) ★


“⑱人を残忍にするシステム(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編11”で触れた映画。“全体主義の起源”を書いたユダヤ系社会学者ハンナ・アーレントが、”イェルサレムのアイヒマン”を発表するまでの話。
ドキュメンタリー編で紹介した”Defamation”を見てからだと、70年前から何も変わってないんだと思った。

 『二つの冠/Dwie Korony』(2017年/ポーランド)


マキシミリアノ・コルベ神父(⑬コルベ神父(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編6参照)の生涯を描いたドキュメンタリードラマ。二つの冠とは、コルベ神父が幼少の頃、お祈りしていると聖母が赤と白の冠を持って現れ、どちらを受け入れるかと尋ねられる。コルベ神父は「両方欲しい」と答えたという。白は純潔を保ち、赤は殉教者となることを意味している。内容に関しては、”汚れなき聖母の騎士会”の創立100年を記念して公開されたのを考慮のこと。

 『ブラジルから来た少年』(1978年/アメリカ)


メンゲレなどを知らない時に、ラジオドラマを聴いたことがあった。ナチスにオカルト的な話題が絶えないのは、カルト教団的な政治理念や残虐さの他に、ヒムラーのオカルト傾倒と、マッドサイエンティストと言われるこのDr.メンゲレの存在がかなりあるだろうと思う。個人的にラジオドラマの方が好きだった。

 『ライフ イズ ビューティフル 』(1997年/イタリア)★


愛に守られた息子ジョズエを通して見る、両親の出会い、戦争に向かう世の中、収容所、そして終戦。戦争映画というよりは、愛と人生賛歌の映画。喜劇として悲哀を描いている分、カメラで映していないその先や意味を知っているとより悲しい。女性士官の態度や戦前に懇意にしていた軍医の平素と変わらぬやりとりなどの違和感も映している。

 『手紙は憶えている』(2015年/カナダ・ドイツ)★★★


老人ホームに暮らす90歳になったアウシュヴィッツサバイバーの人生最後の復讐劇。戦争体験者が高齢になり、認知症や介護、老衰など、現実にあり得る話。お爺ちゃんによるロードムービーっぽいサスペンスで、とても面白かった。主演はサウンドオブミュージックのトラップ大佐の約50年後、枯れ演技も素晴らしい。

 『HITLER the rise of evil』(2003年/アメリカ・カナダ)★


2部作で、ヒトラーの生い立ち〜長いナイフの夜までを描いている。
ヒトラー役を、10代から好きな英国俳優ロバート・カーライルが演じているのだが、良い意味で不気味で気持ち悪い。しかし、全編で英語を喋っているのが、気になる。

 『ソフィーの選択』(1982年/アメリカ)★


上京した小説家志望の青年と、才能豊かで自由奔放なユダヤ青年と影のある美しいポーランド女性カップルとの交流、明かされる秘密と過去。
非常にヨーロッパ映画っぽく、全体的に叙情的で神秘的、そして重い…
メリル・ストリープ初主演
今も美しいが、この時は物凄い美しさ。

広い寝台を/畏れをもって準備し/公正な/審判の下る日を/静かに待とう/しとねをまっすぐに/まくらは丸く/朝日の黄金色のざわめきに/乱されぬように(劇中、エミリー・ディキンソンの詩より)

 『わが教え子、ヒトラー』(2007年/ドイツ)


敗戦間近のベルリンで最後の演説をするヒトラーの指南役にユダヤ人の役者が抜擢される話。コメディーだが、これは合わなかった。

 『ワルキューレ』(2008年/アメリカ)


実際にあった一部の軍部によるクーデター・ヒトラー暗殺事件(ワルキューレ作戦)をトム・クルーズ主演で映画化…。ヒトラー暗殺については、ドキュメンタリーも見て、そちらの方がスリリングさが半端なく、面白かった。私の中で、ご本人はトムクルーズよりずっと魅力的なイメージなんだが…

 『命をつなぐバイオリン』(2013年/ドイツ)★


戦争の足音が大きくなりつつあるウクライナで仲良くなるドイツ人の女の子とユダヤ系ウクライナ人のバイオリンとピアノの才能がある男の子と女の子が、戦争により翻弄されていく。バイオリンの神童の少年役を演じたのは、現実でも神童のバイオリニストだということで演奏シーンは、本物だそう。

  ※ポーランド旅行記バックナンバーまとめ※随時更新①~

2020/01/16

㉕ポーランド最古の修道院に泊まる。(2018/6月)

ポーランドに行く前は、気分的に、アウシュヴィッツに行った日にティニェツ修道院に泊まりたかったのだけれど、今思えば、ポーランド最終日に泊まれて良かったなと思った。
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クラクフ旧市街からバス(またはヴァヴェル城の下から水上バス)で行ける美しい川沿いの高台にあるお城の様な外観の聖ヴェネディクト会の修道院。
前回書いた歴史遺産のヴィエリチカ岩塩坑と同じ頃(11世紀)に出来たそう。
何度も大きな戦争で破壊されては建て直し、第二次世界大戦でも破壊されたが、長い年月をかけて修復し復元してきた。
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↑photo by Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Poland
上はflickrからの写真だが、水上バスで来るとこんな風に見えるそう。本当にお城のよう。
私は時間帯的に水上バスはなかったので、路線バスで向かう。
バス停からなんとなく、カンで川へ向かって10分ほど歩いて行くと(この頃になるともうGoogle mapとか全く使ってなかった…笑)、夕方前くらいに到着。
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光も空気も優しく穏やかで、ポーランドに来て色んなものを見て感じて、ごちゃごちゃ考えてグルグルしていた気持ちが、静かな美しい景色の中にスーッと溶けていった。
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ネコ氏と門をくぐる
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ネコ氏、一番の特等席を陣取る
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壁などには昔の名残や、修復の過程が見受けられる。それと共に壁には射撃用の小穴も見ることができる。
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建物の中でのんびりとしていると、教会の柱から出てきた妖精みたいなご高齢の修道士のおじいちゃんが、ニコニコしながら話しかけてきた。ポーランド語とドイツ語しかわからないんだよっと、言いながらどちらか話せる?と聞かれたが、どちらもわからず、唯一言える”ありがとう” をポーランド語で伝えた。翌日に知ったのだが、彼は戦中からこの修道院に居る最長在籍の修道士で御年88歳、SNSやラジオ(?)などもされているので、マスコット的存在らしい。話しかけてくれた時、最初、彫像が動いてきたかと思った。
とても素敵な方で、少し話しただけで不思議とすごく暖かくなる。
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ここは、モンクだけなので、聖職者は男の人ばかり。シスターたちは、この修道院所属ではないが、近くの教会から物販などに来ているらしい
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夕方のミサに端の方で参加した。時間になると、近所の人たちが車などで教会にやってきて、教会内は結構いっぱいになった。ポーランド語で歌のような節回し(完全に歌なのかも)で、堂内に反響した言葉は耳に心地よく、とても美しいミサだった。言語も教えも何もわからないけれど、ほとんどの世界宗教の礼拝や祈祷の儀式には、荘厳さと美しさ(様式美)があって、たとえ信仰がなかったとしても、何か心が静まり安らかになる気がしてくるから不思議だ。
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おそらく私の様な、キリスト教でもない宿泊客は少ないのかもしれない。もちろんこの修道院の修道士がたくさん寝泊まりしているし、敬虔な信者もたくさん泊っている。
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修道院内(宿泊部分)、↓この踊り場の先に部屋がある
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私の部屋はシングルルーム(シャワー・トイレ共同)にしたが、家族用や、バストイレ付きのデラックスルームもあるらしい。すごくシンプルだけど、居心地が良かった日本円で2000円くらい(洗面台と机も聖書もある)。
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眺めもいい部屋
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宿泊すると、修道院の内部や古い部分など案内してくれる(宿泊しなくても日に何回かツアーがあるので頼めば500円くらいでガイドしてくれる)。もちろん日本語ないから、英語だけど、私一人だけだったので、まさかのマンツーマン…非英語圏だから聞き取りは何とかまー大丈夫だったけど…いや、大丈夫だったのかな…この見上げてるイケメンのジェントルマンが案内してくれました。
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様々な宗教施設で会う人や敬虔な信者の人は皆、本当に人当たりのいい親切な人しかいなくて、邪心と煩悩の塊の私のさもしい心さえ洗われる気がする。こんな人たちだけの世界だったら平和なのになぁとさえ思うのに、片や、昔から争いのほとんどが信仰や神の名のもとで行われ、無差別なテロが起き、血で血を洗う宗教対立が起き続けている、この感覚の差を理解できないのは深い信仰を持っていないからなのかなと、複雑な気持ちになる。
少なくとも宗教者であれ、無宗教者であれ、私がポーランドで会った人たちは本当に親切にしてくれました。 Dziękuję‼

※ポーランド旅行記バックナンバーまとめ※随時更新①~

2020/01/15

映画の中のチャーチル


なんとなくチャーチルだけピックアップ映画鑑賞


『ウィンストン・チャーチル』(2017)

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目元がゲイリー・オールドマンで、あとはチャーチルだった。彼が首相に就任し、ダンケルクのダイナモ作戦までの数週間を描いている。
カレーの陥落は、本当にいたたまれなく、有名なダイナモ作戦成功の影に、孤立無援で取り残され、命を捧げた4000人がいたことをこの映画で初めて知った。命令する側、受ける側、そして、何より、カレーの現場指揮官の中尉の悲痛と絶望は計り知れない。
その時のイギリス本国の状況も、四面楚歌に近い状況だったのだが。
一つ一つが重大すぎる決断で、そのストレスたるや…想像を絶する。
私の中のチャーチルはVサインと、空襲の被害を受けた街の視察をしている姿で、ナチ関連のドキュメンタリーを見ている時によく使われていた。
この映画ってチャーチルのこれまでとこれからを知らない人でも、楽しめるのだろうか…と見ていて少し疑問に思った。チャーチルについてはもう一般常識のレベルなのだろうか。
妻のクレメンタインとの関係性が、素晴らしい。支え鼓舞し、愛情に満ち、また対等である。賢く美しい女性である。
言わずもがな、ゲイリー・オールドマンと、メイクとファッションは、素晴らしいです。

『Into the Storm』(2009)

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同じく、チャーチルの映画。こちらは、チャーチルの首相就任から第一次退陣(終戦)までを描いている。
ヒトラーもチャーチルもルーズベルトも、やはり激動の時には屈指の名演説家の政治家が出てくるんだな…逆を言うと、政界に名演説家が出てこないのは、不動の時代ってことでいいのかな。ドキュメンタリーで”鷲とライオン ヒトラーvsチャーチル”(2人の生い立ち~晩年まで)というのを以前観たが、これが役に立った。

『英国王のスピーチ』(2010)

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ジョージ6世が主役だから、チャーチルはほんの少しだけしか出てないが…というか、チャーチルを出す必要性があったのかちょっとよくわからないのだけど。タイムリーだったのが、ハリー王子の王位継承権辞退のニュース、この時のエドワード8世(ジョージ6世の兄)と全く同じだった…奥さんアメリカ人で、若かりし頃のナチ問題とかもしかり。王室は繰り返すのか…

『イミテーション・ゲーム』(2014)

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チャーチルは名前だけ出演したのと、あと広場での戦勝会見の実録映像に出ていたかな。ヴェネディクト・カンバーバッチは、アスペルガーな天才の変わり者しか演じていないのか、たまたま私がそれしか見たことないのか…まぁ、はまり役。ナチスの優生思想や差別を嫌悪しながらも、戦後もそこを正すことができない国々、闘ってきた理由は思想ではなく領土であったんだなと、悲しくなる。
“エニグマlと聞くと、自動的に”Return to innocence”が頭に流れてしまう。

『人生はシネマティック』(2016)

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原題の”Their Finest(Their Finest Hour and a Half) ”は、シェイクスピアの”ヘンリー5世”からチャーチルが引用して、ダンケルク後の演説の中に使用。"This was their finest hour. 人生最良の時”
これは映画館で見たので、その時の感想→ “人生の1時間半を捧げる”

2020/01/05

二〇二〇年 宇宙の旅

”今年もまたご一緒に九億四千万キロメートルの宇宙旅行をいたしましょう。
これは地球が太陽の周りを一周する距離です。速度はマッハ93。安全です。
他の乗客がごたごたを起こさないよう祈りましょう。”
星新一『きまぐれ博物館』より

以前もこの文を引用した気がします。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2020年1月


年末の仕事だったのですが、
昨年の12月15日に新しくオープンした『HOTEL CLAD(ホテル クラッド)』(御殿場プレミアム・アウトレット内)の富士山ビューの一室(”東北地方”をコンセプトにしている部屋)に注文作品を納品しました。

こんな自分には縁遠い素敵なお仕事だったので、内覧会にも行かせてもらい、楽しい経験をさせていただきました。
富士山の美しさを魅せる内装もとても素敵で、どこもかしこもとてもリラックスできる気持ちの良い広々した造りでフジヤマ賛美できるホテルです。
富士山眺望の温泉もあり(日帰り温泉も可)、スタッフの方もとても感じが良かったです。
お正月は天気も良かったですし、きっと予約で埋まっていたと思います。

沢山のお客さんが、富士山と日本を気持ちよく楽しんでいただけることを心より祈っております。


私の写真はひどかったので、写真はすべて撮っていただきました…笑
ありがとうございます。
作品(チェスの駒)の詳しい写真と説明については
→ https://fukuchiayako.blogspot.com/2019/11/blog-post_11.html


プレスリリースのニュースから↓

御殿場に『HOTEL CLAD』と日帰り温泉『木の花の湯』誕生


​■『HOTEL CLAD』概要
<名 称> HOTEL CLAD(ホテル クラッド)
<運 営> 株式会社小田急リゾーツ
<開業日> 2019年12月15日(日)
<所在地> 〒412-0023 静岡県御殿場市深沢2839-1
<お問合せ> 0550-81-0321(受付時間10:00~19:00)
<公式HP> https://www.gotemba-hotelclad.jp/

■『木の花の湯』概要
<名 称> 木の花の湯(このはなのゆ)
<運 営> 株式会社小田急リゾーツ
<開業日> 2019年12月15日(日)
<所在地> 〒412-0023 静岡県御殿場市深沢2839-1
<お問合せ> 0550-81-0330(受付時間10:30~22:00)
<公式HP> https://www.gotemba-konohananoyu.jp/

あたたかくおだやかな光溢れる2020年(令和2年)をお過ごしください。

2019/12/31

落下傘部隊

『戦場のコックたち』(深緑野分著)

時間潰しに入った丸善で、新刊のチェックをしていた時、平積みで目に付いたのが、深緑野分著”ベルリンは晴れているか”
知らない作家だった。
変わった名前だなと思いながら、自分の中で第二次世界大戦ブームだったので記憶に残していた。
この間、何を読もうかなぁと図書館で考えて、急に思い出して探すとリクエスト待ちだったので、本棚にあった同作家の作品で”戦場のコックたち”を借りることにした。 
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少しタイトルで損している気もするが…
とても面白かった。
刻一刻と悲惨さを増す過酷な戦場をベースに、戦いの最中に所属する部隊などで起こる不可解な事件を解決して行くミステリー仕立てになっている。
つい最近(数年前)まで、本当に恐怖でしかなく戦争物は徹底的に避けてきていて、映画も本もドキュメンタリーも関連するものは一切見ていなかった。
だから、興味が出てからは、なんでも目新しく、解禁した途端に、途方も無い刺激物が体内に流れ込んでくる感覚になった。
歴史的背景を知ると戦争物というジャンルの劇薬は、かなりの依存性を増すのだと感じる。

『Band of Brothers』(スティーブン・スピルバーグ)

で、作家が大好きで参考にしたと豪語していたスピルバーグとトム・ハンクス総指揮のドラマ”バンド・オブ・ブラザース”がどうしても見たくなって、見始た。
あーたしかに、完全に”戦場のコックたち”はこのドラマの影響を受けたスピンオフって感じだ!と、なんか全てが納得。
スピンオフって、文章がうまくないと興醒めするから、その点は全く問題ない、良い作家を見つけた。
というか、ドラマ見てからだと、戦況や状況とかが、つぶさにわかる。
本当にセットで見る(読む)のがお勧めです。
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というか、そもそも”Band of Brothers(バンド・オブ・ブラザース)”がお勧めである。
詳しい取材を元にしたノンフィクションが原作で、ドラマだとおじいちゃんになった戦友たちのインタビューも各話の冒頭に入っている。
初見だと2話あたりまで名前と顔がなかなか一致しなくてストーリーを追う感じだが、1周目見終わってキャラクター性に愛着が湧いてから2周目に再度見だすと、俄然面白さが増す。

『プライベート・ライアン』(スティーブン・スピルバーグ)

で、この流れで、”プライベート・ライアン”も見たが…
これは、冒頭の20分間をひたすら耐える映画にしか思えない…。
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*3つの共通点


ちなみに、”プライベート・ライアン”も”バンド・オブ・ブラザース”も”戦場のコックたち”も激戦のノルマンディー上陸作戦から始まる。

“プライベート・ライアン”のトム・ハンクスが演じたミラー大尉は、アメリカ陸軍第2レンジャー大隊C中隊隊長で、海上(オマハビーチ)から上陸。
で、タイトルにもなっているマット・デイモンが演じるライアン上等兵は、アメリカ陸軍第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊第1大隊B中隊所属。
“バンド・オブ・ブラザース”は、同じく第506パラシュート歩兵連隊第2大隊E中隊の面々の話。
“戦場のコックたち”も、同じく第506パラシュート歩兵連隊第3大隊G中隊の特技兵が主人公の話。
この小説だけは、一人称の”僕(キッド)”ことティモシー・コール五等特技兵(調理兵)の語りで最後まで描かれている。だから、戦争の悲哀も不安も不条理も、そして仲間への想いも”キッド”だけの視点で彼の感情が主軸に流れ、同調してくる。他の作品もすべて同じ部隊の話だからこそ、一人称の視点は、興味深く面白かった。
ちなみに歴史上最大の上陸作戦であるノルマンディー上陸作戦の開始は、夜間にパラシュート部隊の空からの降下による上陸から口火が切られた。
陸自の駐屯地が近いので、落下傘部隊は子供の頃からよく目にしていた。
日常の風景となっているが、落ちていく落下傘の一群が目に入ると、つい見上げてしばし見入ってしまう。
しかし、これらの作品を観た後では、なんだか違うものに見えてしまう。
しかも、ついこの間、落下傘に関しての裏話も聞いたばかりで、なんとも複雑な思いで空に漂うクラゲの一群を見入ってしまう。
願わくば、こんな悲しく虚しい戦いが世界中からすべて消えてくださいと、心から思う。 
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にしても、”ベルリンは晴れているか”もだけど、”Band of Brothers ”の原作は読みたいな…
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