2018/12/11

⑥シナゴーグでの話 (2018/6月)


(※備忘録として、Facebookにその日のうちに書いたものを加筆修正したものです。)

ワルシャワ市内にあるシナゴーグへ行った。
教会は、あれば大きくても小さくてものぞいてしまうのが趣味なのだが、シナゴーグへは今回が初めてだった。
シナゴーグは、ユダヤ教の寺院である(本来は寺院ではなく会堂なのだが…)。
ワルシャワ市内にも、他の欧州都市と同じように、沢山の大きな教会があり、旧市街の空を見渡せば十字架を掲げた塔がいくつも見えるほどだ。
もちろんミサ中はズカズカ入れないが、それ以外は節度を守れば常にオープンである。 
で、そのシナゴーグは、旧市街からは少し離れていて、旧ゲットー地域内にひっそりとあった。(袋小路みたいになっていて、非常にわかりづらかった。)
教会なんかと比べたら非常にこじんまりと小さな建物なのだが、扉を開くと驚いたことに入口でセキュリティチェックがあった。
しかもかなり厳重で、防弾服のセキュリティガードの怖そうなお兄さんが鞄の中身チェック(かなり入念に)、危険物所持の有無の質疑をし、空港にある金属探知ゲートまで通る。
しかも、一人ずつ検査するので、前の人の検査が終わるまで建物の外で待たされる。
本当に小さなシナゴーグなのにである。 
…そして、私がいく少し前に、2人のセキュリティガードに両脇を抱えられ引きづられて出て行く人がいた…こ、こわい。 
もちろん問題なければ、通してくれるのだが… 
中に入ると、3人のユダヤ教の男の人が話をしていて、もう一人、聖書を読んでいる人がいた。
すぐに見終わるほど小さくシンプルなので、2階にも上がってみたくなり、一人でいる人に話しかけてみた。
すると彼が、3人の人に聞いてくれて、問題なく上がらせてもらったのだけど、帰り際に、セキュリティガードの都合で少し中で待たされた時に、その一人でいた彼と少し話をした。 
彼は、フランス在住のユダヤ人で、(両親が移民しているから2世になるのかな。オリジナルは聞いたが、どこかよくわからなかったけど、中東アジアの方だと思う。)今、ポーランドに移住するか悩んでいると言っていた。
フランスでは(というか世界中でだけど)、ユダヤ人や宗教の差別などですごく住みづらくなってきているから、と。
近々、ロシア系ユダヤ人の彼女と結婚する予定なのだけど、すごく色んなことが難しくて、結婚するにしても移民するにしても、まだどうなるかわからない、と言っていた。
セキュリティチェックがこんなに厳重なのも、シナゴーグやユダヤ教を標的にしている人たちがいるからなんだよね…
同じ人間なのにね。
と悲しそうに話していた。
今年(2018年)の10月27日、アメリカのペンシルバニア州ピッツバーグのシナゴーグで、銃の乱射事件があった。礼拝中の11人の命が奪われた。犯人は、ネオナチの思想を持っていたらしい。このニュースを見た時に、この日の事を強く思い出した。


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