すごくザックリ話すと
その工房は、
ハンセンさんとロスさんの陶芸工房です
ハンセンさんは、デンマーク生まれで
スカンジナビアの様々な工房で修行した後、興味もあり遠い国へとカナダへ
ロスさんは、カナダ生まれで、スウェーデンの学校を出て、スカンジナビアやイギリスの色んな工房で修行して、またカナダに戻ってきました
彼らは、スカンジナビアでの工房で一度一緒に修行したことがあり、顔見知りでした
たまたまカナダでそれぞれ陶芸に携わる仕事をしている時に、陶器の世界は狭いので、お互いの噂をきき、再会して、共同工房を作ることにしました
ちょうどハンセンさんが25歳くらい、ロスさんが30歳くらいだったと思います
工房の名前は、二人の名前をとって、ハンセン‐ロス陶工房と名付けられました
ハンセンさんについては、性格の特記はなかったのですが、
ロスさんは、人懐こく、とても陽気で気さくな性格だったそうです
共同工房を作って、お互い切磋琢磨しながら20年くらいにもなり、軌道にのってきていました
手工芸や作品に対しての国内での評価も高くなり
それでいて、陶芸教室をやったり、生活に根ざした器を作り続けて、地域でもとても親しみやすい工房でした
そんなある日
ロスさんは、工房の近くで交通事故に逢い、帰らぬ人になってしまいました
あまりの突然の死に、
ロスさんの轆轤(ロクロ)の上には、その時作っていたお皿の、装飾が描きかけのままになっていました
永遠に、完成しなくなってしまったその作品は、羽根飾りの様な模様が不自然に途切れていました
計り知れぬショックを受けたことはもちろんですが、
自分の分以外に、ロスさんの分の大量の注文もこなさなければならないという現実に直面し、思い悩んだハンセンさんは、工房を畳もうかと考えます
しかし、周りの人や、工房や作品に関わりのあった多くの人たちから、たくさんの励ましをいただいたそうで、
そのあたたかい声を励みに、作り続け、
その後20年もの長きに渡り工房を続けられました
しかし、
歳とともに体力の衰えから、徐々に規模を縮小し、ついには閉鎖してしまったそうです
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作品はさておき、彼らの短くまとめられた略歴を読んで
誰もいない静かなギャラリーで、しんみりしてしまった
たぶん、その日の訪問者、私一人 建物自体もすごく静かなので、本当にポツンってかんじ ゆっくり見れていいです |
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