クレマトリウム(crematorium)とは、英語で火葬場という意味だが、ガス室と焼却炉が一体となった建物のことをアウシュヴィッツでは総称して”クレマトリウム”と呼んでいる。
日本だと、ガス室(gas chamber)という名前で通っている
日本だと、ガス室(gas chamber)という名前で通っている
アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所には、5基のクレマトリウムがあった。
1番初めに作られたのがアウシュヴィッツにある1号基。
その約一年後、ビルケナウに巨大な4基のクレマトリウムが完成したことで、アウシュヴィッツにあった1号基は、倉庫や職員用の防空壕として使用され、薬品(劇薬ガス:チクロンB)投入のための穴はふさがれ、焼却炉や煙突などは解体されていたのだが、
ソ連軍の侵攻に危機感を覚えたナチスは、証拠隠滅のためビルケナウにあったクレマトリウムを全て爆破した(4基の内1基は、その前に収容者の反乱で壊されていた)ため、現在、アウシュヴィッツに残された1号基を当時の設計図に基づき当時の資材を使い戦後に復元し、内部を見学できるようにしている。
その約一年後、ビルケナウに巨大な4基のクレマトリウムが完成したことで、アウシュヴィッツにあった1号基は、倉庫や職員用の防空壕として使用され、薬品(劇薬ガス:チクロンB)投入のための穴はふさがれ、焼却炉や煙突などは解体されていたのだが、
ソ連軍の侵攻に危機感を覚えたナチスは、証拠隠滅のためビルケナウにあったクレマトリウムを全て爆破した(4基の内1基は、その前に収容者の反乱で壊されていた)ため、現在、アウシュヴィッツに残された1号基を当時の設計図に基づき当時の資材を使い戦後に復元し、内部を見学できるようにしている。
アウシュヴィッツにある初期のクレマトリウムは、アウシュヴィッツの所長をしていたルドルフ・ヘスの自宅の目と鼻の先にある。
自宅には、ヘスの家族が穏やかに優雅に暮らしていて、子供たちも塀を挟んですぐ隣の庭でまるで平和な日常の中で遊び育っていた。
何も知らない家族との日々と、その同じ敷地内で何万と運搬されてくる人間の処分を、まるで缶詰工場の生産ラインの管理のようにこなし、その住み込みの工場長のように、帰宅し家族と団欒する。
悪臭がして、煙が立ち上り、灰が降り注ごうと、気づかないものなのだろうか…(火葬所としての機能が、すぐにビルケナウに移るにしても)
自宅には、ヘスの家族が穏やかに優雅に暮らしていて、子供たちも塀を挟んですぐ隣の庭でまるで平和な日常の中で遊び育っていた。
何も知らない家族との日々と、その同じ敷地内で何万と運搬されてくる人間の処分を、まるで缶詰工場の生産ラインの管理のようにこなし、その住み込みの工場長のように、帰宅し家族と団欒する。
悪臭がして、煙が立ち上り、灰が降り注ごうと、気づかないものなのだろうか…(火葬所としての機能が、すぐにビルケナウに移るにしても)
※アウシュヴィッツ敷地内の地図になるのだが、矢印の経路の一番左端の最後に訪れる"a"の建物がクレマトリウム。そしてそのちょうど上あたり(地図左上)の道の手前にポツンとある"f"の建物が、ヘスの自宅になる。
あるドキュメンタリーで見たのだが、ヘスの自宅の煙が見えるだろう方角の窓は、曇りガラスになり、壁に囲われた庭には高い木が生えていた。
ヘスは、家族に愛される良き夫であり尊敬される父であり、部下からも慕われる上司であった。
今は、ヘスの自宅と、1号基クレマトリムの間に、ヘスの絞首刑台が残されている。
3段の階段のついた高さ3mほどの簡素な木製の枠を右に見ながら、半地下のような作りのクレマトリウムの入り口へたどり着く
一応隠す造りをしているためか、外装は木や芝などの植物に覆われている。
3段の階段のついた高さ3mほどの簡素な木製の枠を右に見ながら、半地下のような作りのクレマトリウムの入り口へたどり着く
一応隠す造りをしているためか、外装は木や芝などの植物に覆われている。
※この写真はネットから拾ってきました(出典元がちょっとわからなかったです。すみません)。まったく写真を撮っていなかったので。
古墳や遺跡みたいだと思った。
2人くらいが通れるくらいの大きさのぽっかりと空いた入り口から薄暗闇に入る
中は、コンクリートの箱をいくつかつなげた様な建物だった
廊下の様なものがなく天井が低い小さな箱(部屋)を2つくらい右へ左へと抜けて
2人くらいが通れるくらいの大きさのぽっかりと空いた入り口から薄暗闇に入る
中は、コンクリートの箱をいくつかつなげた様な建物だった
廊下の様なものがなく天井が低い小さな箱(部屋)を2つくらい右へ左へと抜けて
窓のない地下空間のようなガランとした大きなコンクリートの箱(部屋)に入る
床、天井、壁は煤けたように黒くマダラ模様にシミができている、火災の跡のようだ
床、天井、壁は煤けたように黒くマダラ模様にシミができている、火災の跡のようだ
天井はさっきまでの部屋より少し高くなるのに、ひどく圧迫を感じる閉鎖された空間
今ここに入っているのは、たかだか30人前後なのに、息苦しい…
今ここに入っているのは、たかだか30人前後なのに、息苦しい…
地下にあるコンクリートの箱の中に密閉されている恐怖
数メートル歩き、見上げると、天井に正方形の穴が開いている
4つあるチクロンBの投入口の一つになる
4つあるチクロンBの投入口の一つになる
導線を考えた作りなのか左の壁の真ん中あたりに、またぽっかり開いた少し大きめの入り口があり、隣の部屋の焼却場へと続く
そこには4.5台の煉瓦で出来た窯があった
陶芸の窯場と何ら変わらないと思った
現代の火葬場を見たことないからかもしれないが、何を焼いていたとしても窯場とはどこも雰囲気が似て見えるものなのかもしれないと思う
そこには4.5台の煉瓦で出来た窯があった
陶芸の窯場と何ら変わらないと思った
現代の火葬場を見たことないからかもしれないが、何を焼いていたとしても窯場とはどこも雰囲気が似て見えるものなのかもしれないと思う
この1号基は、ビルケナウにあった2号基以降のクレマトリウムと比べるとかなり小さいものだそうだ。
焼き場を抜けて、外へ出ると
少しだけホッとした
少しだけホッとした
中谷さんのガイドをメモしながら聞いていたのだが、見て理解するのもやっとな上に、中谷さんは早口な方なので、私のメモ用紙は汚い走り書きの字でほとんど読み返せない状態だった。
その中に”サウルの息子”という単語を発見する。
前後の単語を読み返しても思い出せずに、ネットで検索してやっと映画だったのを思い出す。
その中に”サウルの息子”という単語を発見する。
前後の単語を読み返しても思い出せずに、ネットで検索してやっと映画だったのを思い出す。
他の作業同様に、クレマトリウムでのすべて作業も、収容者が従事していた
特に、人の死に関わる作業に関しては、極秘任務とされ、数ヶ月で交代し、前任は例外なく口封じで処分された
特に、人の死に関わる作業に関しては、極秘任務とされ、数ヶ月で交代し、前任は例外なく口封じで処分された
クレマトリウムで働く人たちのことをゾンダーコマンド(ドイツ語で、特殊/特命部隊)という
サウルの息子は、そのゾンダーコマンドのユダヤ系ハンガリー人の男サウルに起こった1日半の出来事を撮った映画になる。(2015カンヌ映画祭グランプリ、2015アカデミー外国語映画賞、その他)
冒頭のサウルの息子のポスター画像で、背中に赤い×印がある服を着ているのは、 ゾンダーコマンドの服で、逃げた時などに目立つようにしている (銃殺しやすいため) |
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