2022/01/16

展示中ですが…

 去年あたりから気になっている人がいた。

築地駅の地下鉄の入り口近くで夕方に何度か見かけたのだが。


小柄で純朴そうな姿のアジア系の長い黒髪を後ろで束ねた20代くらいの女性が、大きめの袋と紙を手元に持って足早に通り過ぎる人に声を掛けたそうに所在なげに立っていた。

初めて会った時に、道に迷ったのかなと思って声をかけようとしたが、電車に急いでいたので、呼び止められなかったこともあり、そのまま前を通り過ぎた。

その帰り道、電車の中で彼女の姿が頭に残り、道に迷っていたのなら、声をかければよかったなと思っていた。自分もそうやって旅先で色んな人に助けてもらったからだ。


そうこうしているうちに、数日後の夕方に全く同じ人が同じ格好で同じ場所に立っていた、その時に、もしかしたらこれって近くの飲食店の従業員がコロナでお客さんがいないからお弁当を売っているのかなと思って、気にはなったが後ろ髪引かれるほどもなくなった。

その後1回くらい見かけて、それから見なくなったが、結局話しかけなかった。


見なくなるとはじめは気になりつつも、忘れてもいった。


昨夜、最寄りの駅の裏から駅近のスーパーに抜ける少し暗い高架下のところで、人通りも少なかったのだが、急にカタコトの日本語で呼び止められた。

見ると、以前会った人より少し歳上そうなアジア系の小柄な女性で、同じように袋と紙を手に持っていた。

立ち止まると、『フィリピンからの留学生でコロナで仕事がなくなり、お金がないので手作りのお菓子を売っている』云々と日本語で書いてある紙を見せられた。


それは大変だなと思ったが、何だか態度に少し不信感を抱いてしまい、詳しく聞くこともなく、少し立ち止まってからお辞儀だけしてその場を離れてしまった自分の心の狭さに少しゲンナリもしたが、10歩ほど行った先に全く同じ感じの女性が道行く人に声を掛けていた


これは、何かのグループなのかなと思い、ネットで調べたら、出るは出るは


しかもテレビのニュースでも取り上げられていたようだ。去年から東京やその近県の色んな駅で、国だけ違うがアジア圏の(自称)留学生で全く同じ文面を持った、主に若い女性が各所に出没しているらしい。


その時に、昨年、築地で見かけた女性もそうだったのだなと妙に合点がいった。


どのネットニュースも組織的なものではないかとか、詐欺ではないかとか、憶測だけで実際の明確な情報や検証結果がなかったので、本当に困っている人かもしれないが、どちらにしても色々と法律的な問題のある行為ではあるらしかった。


その話で、なんとなく思い出したのが、旅先でバックパッカーがダンボールの板に『自分の国に帰る飛行機代がないから、恵んでくれ』という趣旨の文章を書いて、路上で座っているホームレス化した人たちである。


キリスト教文化圏だと施す事になんの抵抗もないので、成り立つことなのかもしれないが、日本ではやはりモノを売った対価でないと、お金だけをなかなか置いていってはくれないから苦肉の策なのかもしれないが


ネットだとよくわからないモノを買うよりは、お金だけ渡したほうがいいと考える人も多いみたいだし、手作りと書いているが既製品のお菓子を小袋に入れ直しているのではと独自に検証している人もいた。


コロナで困窮している人はたくさんいると思うし、日本の学生も大変らしいから、留学生もより大変なのかもしれないが、このテンプレートの文面と手作りではない手作りのお菓子の出どころはちょっと気になるなーと思った。


もしかしたら、語学学校で困窮する生徒たちを見るに見かねて、学校側がシステムを提供したのではなかろうかと、暇な在廊の間に色々と考えてしまった。



◆ふくちあやこ◆

[ののはなのはなし]
磁器・上絵・陶器・薪窯

2022年1月14日(金)~26日(水)
11:30~17:00(最終日16:00まで)

作家在廊予定:14日(金)・16日(日)・26日(水)
※ 上記以外も少し顔出す日はあります。
この様な状況なので、体調優先でご無理はしないでくださいね。

野の花 司 2階
茶房野の花/スペース司
[住所] 〒104-0061 東京都中央区銀座3-7-21

[お問い合わせ] TEL 03-3535-6929/FAX 03-3535-6930




空也最中は、やはり美味しい







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