2020/01/28

2月のグループ展示などの告知です。

山形でグループ展があります。
弘前(青森)にも少し作品を置かせてもらっています。
よろしくお願いいたします。



お雛様と吉祥のかたち展(山形)

2020年1月31日(金)~2月16日(日)
休み:4日(火)・16日(火)

とても縁起の良いグループ展で35点くらい出しています。


恵埜画廊(よしの画廊)
〒990-0042 山形県山形市七日町2-1-38

◆電話:023-623-3140
◆FAX:023-623-3140
◆E-mail:info@yoshino-garo.jp
◆営業時間:10:30~18:30(最終日は17:30まで)
◆定休日:火曜日



CASAICO(弘前)

2020年2月7日(金)~2月14日(金)

2月7日~カサイコ企画展(画家と人形作家の2人展)が入っているのですが、
それに合わせて、ギャラリーで少し作品を取扱ってくださるそうです。
10点程度。


CASAICO (カサイコ)
〒036-8093 青森県弘前市城東中央4-2-11

◆電話/FAX:0172-88-7574
◆E-mail:info@casaico.com
◆営業時間:10:00-17:00
◆2/14以降の営業日などは、ギャラリーHPをご覧ください。

もえぎ城内坂店(益子)

昨年から引き続き小品を取扱ってもらっています。


もえぎ城内坂店
〒321-4218 栃木県芳賀郡益子町城内坂150

◆電話:0285-72-6003
◆FAX : 0285-72-5008
◆営業時間:10:00~18:00
◆金曜日不定休



2020/01/20

㉖Do widzenia Polska.”さよならポーランド”(2018/7月)

ポーランドのタクシーは、ふっかけられることがあるとネットでみかけていた。
しかし泊った修道院に聞くと、空港までならタクシーが一番近くて早いらしいので、タクシーを呼んでもらうことにした。
ちなみに、一人旅で今までタクシーに乗ったことがない。(いつも公共交通を利用していた)

で、実はもう現地通貨がなくて、カードも使えないって言われて、ユーロ払いでOKだと言われた。乗りながら値段を聞いたら、やはり相場(事前に調べておいた)より少し高い金額を言われたが、交渉するのをやめて、言われた金額通りに素直に払うことにした。
(私が乗ったタクシーはたしかメーターがなかった気がする…あったかな?)

実のところ、修道院のレセプションが計算を間違えたらしくちょっと金額を安く払っていたことにタクシー内で気づいた…で、そのタクシーのバックミラーにロザリオが掛かっているのを見て、その分この運転手の青年に還元しようと思ったからなのだけど。
しかも、着いてから荷物なども運んでくれたが、チップを払うのを忘れてしまった…ごめんタクシーさん…トントンくらいにはなっているはず…

ポーランドの国際空港の名前は、それぞれ著名人の名前を冠したあざながある。
ヴロツワフは、コペルニクス空港、
ワルシャワは、ショパン空港、
そして、ここクラクフは、 ヨハネパウロ2世・クラクフ・バリツェ国際空港!

画像1

ルフトハンザの小型のユーロ便、LCCより少しランク上かな…たぶん。

画像2


画像3

画像4

ポーランドを去り、フランクフルトへ
そして、さっそく列車トラブルのDB(ドイツ国鉄)で、発車ホームが色々変わる。

画像5

しかし我が家(ドイツの家!笑)に帰るとドイツの私の好物を最後の晩餐に用意してくれていた‼Danke!!!

画像6

翌日、荷物をまとめてドイツの我が家を出発して、またフランクフルトへ

画像7

子どもだけなんだろうけど、車内で大好物のグミをもらう!車両トラブル多いけど、これだからDBを許してしまう。笑

画像8

フランクフルトから日本へ(本当は帰りたくはないけど…)

画像9

画像10

あぁ、楽しかった。やっぱりヨーロッパは好きだな~。


さて、これで、ひとまずポーランド旅行記、終わりました。(参考資料の追記はちょこちょこと‥)

アウシュヴィッツ以降は、それまでが重すぎたので、緩めな感じで前半部分より観光多めの文章内容にした(前半は極力観光部分を文章から省いたので)。

ポーランド、また行きたいな…

※ポーランド旅行記バックナンバーまとめ※随時更新①~

画像11



2020/01/18

㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その1

”㉑参考資料の感想(ドキュメンタリー編)Auschwitz-Birkenau編14”につづき、映画編。

20代後半あたりまで、近現代の戦争描写のある本や映画やテレビ、資料館などを徹底的に避けてきた。
小さい頃に子供会で見させられた、戦争の悲惨さを伝えるアニメ映画がトラウマになり、夜も寝れなくなったのが原因だったので、とりわけ映像が怖くて見れなかった。

なので、かなり有名なものも含め、今回が初見になる。恐れ多くも★評価してみた…というか、映画の良し悪しよりも単に自分の好みの評価。

※数が多いので、”㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その2”に続きます。

 『戦場のピアニスト』(2002年/フランス・ポーランド)★★★


ユダヤ系ポーランド人の名ピアニストであるウワディスワフ・シュピルマンの戦時下の体験記を元に描いている。
ワルシャワへ行く前に観ておけば良かったと思った。ゲットー、2つの蜂起、壊滅したワルシャワ、そしてショパン。
この映画は、本当に素晴らしかった。感情移入をさせないよう、坦々と映す戦時下のワルシャワは、むごく虚しくてやるせなく、そして悲しいまでに無力に見えた。
ドイツ人将校役のトーマス・クレッチマンが、役的にもかなりイケメンでした。

ワルシャワ歴史地区について→ ④壊された街、壊せなかった想い (2018/6月) ゲットーについて→ ⑤ワルシャワ・ゲットー (2018/6月)

 『ソハの地下水道』(2011年/ポーランド・ドイツ)★★★


ナチス占領下のポーランドで、下水道業者のソハがユダヤ人を地下水道に匿った実話を映画化。
本当に見ていて辛くなるが、とても良い映画。
“戦場のピアニスト”でも、”地下水道”でも感じたが、生い立ちで戦争に深く関わったことのある監督(たまたま全員ポーランド出身だが)の描く戦争は、どこかに肩入れするでもなく、共感や感動をさせるわけでもなく、坦々と情景を描き、立場に関係なく生身の人間を描いている。
涙を誘う描き方や英雄を作り出すのは、戦争を知識として知った人で、体験した人はただ坦々と醜さを表すだけに思うが反戦映画となるのは、やはり後者だと思う。

As if we need GOD to punish each other.(劇中エピローグより)

 『ヒトラーの贋札』(2007年/ドイツ・オーストリア)★★


強制収容所内で行われていたナチスによる偽札作り”ベルンハルト作戦(国家機関によるものだと史上最大)”の実話を基にした作品。色んな意味での”内と外”の見せ方や対比が印象的。オープニングとエンディングで流れるカルロス・ガルデルの”mano a mano”(演奏Hugo Diaz)は、”五分と五分”という意味だと誰かの感想で書いてあった。音と音楽の使い方が秀逸。

内容に関係ないが、ブルガー役のアウグスト・ディールがとても美しい(骨格)。

 『帰ってきたヒトラー』(2015年/ドイツ)★★★


1945年のヒトラーが、自殺の瞬間から現代のベルリンにタイムリープするという荒唐無稽のコメディー映画。が、かなりの社会派映画。大筋は社会風刺的でコメディータッチだが、スタジオ以外の街頭市民、ネオナチ、NPD(ドイツの極右政党)との撮影は基本アポ無しらしくて、難民問題による二極化や景気低迷、政治不信のドイツ国内の様子を如実に映し出すことで、警鐘を鳴らしていた。とても面白かったが、視聴後、考え込む。

 『黄色い星の子供たち』(2010年/フランス)★


ナチス占領下のフランスで行われた(仏政府も協力した)ユダヤ人の一斉検挙(ヴェル・ディヴ事件)を題材にした映画。
子供たちが可愛い…ので、尚更悲しい。。。
ジャン・レノは、客寄せパンダ的な効果を狙ったのかな…肥えているし彼である必要はないと思うけど、この手の映画に観る人が増えるためなら良いのかもしれない。

 『サラの鍵』(2010年/フランス)★


これも、”黄色い星の子供たち”と同じくヴェル・ディヴ事件を取り扱ったもの。
現代のジャーナリストの視点から過去を掘り起こしていく。
こちらの方が、好きかな。
職場で記事について会議中に、
“(戦時中に)こんな(悲惨な)ことがパリの真ん中で起きていたなんて吐き気がするわ。”と言った女性の同僚に、
”じゃあ、あなたがもしその場にいたら何をしたと思う?”と問いかける主人公。
別の同僚が、”たぶんテレビで見ているだけだね、イラク戦争の時みたいに。”と答えていた。
いつだって傍観者で居続けてしまう、自分の身に降りかからない限りは。

 『ハンナ・アーレント』(2012年/ドイツ・ルクセンブルク・フランス) ★


“⑱人を残忍にするシステム(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編11”で触れた映画。“全体主義の起源”を書いたユダヤ系社会学者ハンナ・アーレントが、”イェルサレムのアイヒマン”を発表するまでの話。
ドキュメンタリー編で紹介した”Defamation”を見てからだと、70年前から何も変わってないんだと思った。

 『二つの冠/Dwie Korony』(2017年/ポーランド)


マキシミリアノ・コルベ神父(⑬コルベ神父(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編6参照)の生涯を描いたドキュメンタリードラマ。二つの冠とは、コルベ神父が幼少の頃、お祈りしていると聖母が赤と白の冠を持って現れ、どちらを受け入れるかと尋ねられる。コルベ神父は「両方欲しい」と答えたという。白は純潔を保ち、赤は殉教者となることを意味している。内容に関しては、”汚れなき聖母の騎士会”の創立100年を記念して公開されたのを考慮のこと。

 『ブラジルから来た少年』(1978年/アメリカ)


メンゲレなどを知らない時に、ラジオドラマを聴いたことがあった。ナチスにオカルト的な話題が絶えないのは、カルト教団的な政治理念や残虐さの他に、ヒムラーのオカルト傾倒と、マッドサイエンティストと言われるこのDr.メンゲレの存在がかなりあるだろうと思う。個人的にラジオドラマの方が好きだった。

 『ライフ イズ ビューティフル 』(1997年/イタリア)★


愛に守られた息子ジョズエを通して見る、両親の出会い、戦争に向かう世の中、収容所、そして終戦。戦争映画というよりは、愛と人生賛歌の映画。喜劇として悲哀を描いている分、カメラで映していないその先や意味を知っているとより悲しい。女性士官の態度や戦前に懇意にしていた軍医の平素と変わらぬやりとりなどの違和感も映している。

 『手紙は憶えている』(2015年/カナダ・ドイツ)★★★


老人ホームに暮らす90歳になったアウシュヴィッツサバイバーの人生最後の復讐劇。戦争体験者が高齢になり、認知症や介護、老衰など、現実にあり得る話。お爺ちゃんによるロードムービーっぽいサスペンスで、とても面白かった。主演はサウンドオブミュージックのトラップ大佐の約50年後、枯れ演技も素晴らしい。

 『HITLER the rise of evil』(2003年/アメリカ・カナダ)★


2部作で、ヒトラーの生い立ち〜長いナイフの夜までを描いている。
ヒトラー役を、10代から好きな英国俳優ロバート・カーライルが演じているのだが、良い意味で不気味で気持ち悪い。しかし、全編で英語を喋っているのが、気になる。

 『ソフィーの選択』(1982年/アメリカ)★


上京した小説家志望の青年と、才能豊かで自由奔放なユダヤ青年と影のある美しいポーランド女性カップルとの交流、明かされる秘密と過去。
非常にヨーロッパ映画っぽく、全体的に叙情的で神秘的、そして重い…
メリル・ストリープ初主演
今も美しいが、この時は物凄い美しさ。

広い寝台を/畏れをもって準備し/公正な/審判の下る日を/静かに待とう/しとねをまっすぐに/まくらは丸く/朝日の黄金色のざわめきに/乱されぬように(劇中、エミリー・ディキンソンの詩より)

 『わが教え子、ヒトラー』(2007年/ドイツ)


敗戦間近のベルリンで最後の演説をするヒトラーの指南役にユダヤ人の役者が抜擢される話。コメディーだが、これは合わなかった。

 『ワルキューレ』(2008年/アメリカ)


実際にあった一部の軍部によるクーデター・ヒトラー暗殺事件(ワルキューレ作戦)をトム・クルーズ主演で映画化…。ヒトラー暗殺については、ドキュメンタリーも見て、そちらの方がスリリングさが半端なく、面白かった。私の中で、ご本人はトムクルーズよりずっと魅力的なイメージなんだが…

 『命をつなぐバイオリン』(2013年/ドイツ)★


戦争の足音が大きくなりつつあるウクライナで仲良くなるドイツ人の女の子とユダヤ系ウクライナ人のバイオリンとピアノの才能がある男の子と女の子が、戦争により翻弄されていく。バイオリンの神童の少年役を演じたのは、現実でも神童のバイオリニストだということで演奏シーンは、本物だそう。

  ※ポーランド旅行記バックナンバーまとめ※随時更新①~

2020/01/16

㉕ポーランド最古の修道院に泊まる。(2018/6月)

ポーランドに行く前は、気分的に、アウシュヴィッツに行った日にティニェツ修道院に泊まりたかったのだけれど、今思えば、ポーランド最終日に泊まれて良かったなと思った。
画像1
クラクフ旧市街からバス(またはヴァヴェル城の下から水上バス)で行ける美しい川沿いの高台にあるお城の様な外観の聖ヴェネディクト会の修道院。
前回書いた歴史遺産のヴィエリチカ岩塩坑と同じ頃(11世紀)に出来たそう。
何度も大きな戦争で破壊されては建て直し、第二次世界大戦でも破壊されたが、長い年月をかけて修復し復元してきた。
画像2
↑photo by Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Poland
上はflickrからの写真だが、水上バスで来るとこんな風に見えるそう。本当にお城のよう。
私は時間帯的に水上バスはなかったので、路線バスで向かう。
バス停からなんとなく、カンで川へ向かって10分ほど歩いて行くと(この頃になるともうGoogle mapとか全く使ってなかった…笑)、夕方前くらいに到着。
画像3
光も空気も優しく穏やかで、ポーランドに来て色んなものを見て感じて、ごちゃごちゃ考えてグルグルしていた気持ちが、静かな美しい景色の中にスーッと溶けていった。
画像20
ネコ氏と門をくぐる
画像13
画像5
画像6
画像7
画像8
ネコ氏、一番の特等席を陣取る
画像12
壁などには昔の名残や、修復の過程が見受けられる。それと共に壁には射撃用の小穴も見ることができる。
画像24
建物の中でのんびりとしていると、教会の柱から出てきた妖精みたいなご高齢の修道士のおじいちゃんが、ニコニコしながら話しかけてきた。ポーランド語とドイツ語しかわからないんだよっと、言いながらどちらか話せる?と聞かれたが、どちらもわからず、唯一言える”ありがとう” をポーランド語で伝えた。翌日に知ったのだが、彼は戦中からこの修道院に居る最長在籍の修道士で御年88歳、SNSやラジオ(?)などもされているので、マスコット的存在らしい。話しかけてくれた時、最初、彫像が動いてきたかと思った。
とても素敵な方で、少し話しただけで不思議とすごく暖かくなる。
画像10
ここは、モンクだけなので、聖職者は男の人ばかり。シスターたちは、この修道院所属ではないが、近くの教会から物販などに来ているらしい
画像13
夕方のミサに端の方で参加した。時間になると、近所の人たちが車などで教会にやってきて、教会内は結構いっぱいになった。ポーランド語で歌のような節回し(完全に歌なのかも)で、堂内に反響した言葉は耳に心地よく、とても美しいミサだった。言語も教えも何もわからないけれど、ほとんどの世界宗教の礼拝や祈祷の儀式には、荘厳さと美しさ(様式美)があって、たとえ信仰がなかったとしても、何か心が静まり安らかになる気がしてくるから不思議だ。
画像18
おそらく私の様な、キリスト教でもない宿泊客は少ないのかもしれない。もちろんこの修道院の修道士がたくさん寝泊まりしているし、敬虔な信者もたくさん泊っている。
画像19
修道院内(宿泊部分)、↓この踊り場の先に部屋がある
画像14
私の部屋はシングルルーム(シャワー・トイレ共同)にしたが、家族用や、バストイレ付きのデラックスルームもあるらしい。すごくシンプルだけど、居心地が良かった日本円で2000円くらい(洗面台と机も聖書もある)。
画像15
画像16
眺めもいい部屋
画像19
画像13
宿泊すると、修道院の内部や古い部分など案内してくれる(宿泊しなくても日に何回かツアーがあるので頼めば500円くらいでガイドしてくれる)。もちろん日本語ないから、英語だけど、私一人だけだったので、まさかのマンツーマン…非英語圏だから聞き取りは何とかまー大丈夫だったけど…いや、大丈夫だったのかな…この見上げてるイケメンのジェントルマンが案内してくれました。
画像21
画像22
様々な宗教施設で会う人や敬虔な信者の人は皆、本当に人当たりのいい親切な人しかいなくて、邪心と煩悩の塊の私のさもしい心さえ洗われる気がする。こんな人たちだけの世界だったら平和なのになぁとさえ思うのに、片や、昔から争いのほとんどが信仰や神の名のもとで行われ、無差別なテロが起き、血で血を洗う宗教対立が起き続けている、この感覚の差を理解できないのは深い信仰を持っていないからなのかなと、複雑な気持ちになる。
少なくとも宗教者であれ、無宗教者であれ、私がポーランドで会った人たちは本当に親切にしてくれました。 Dziękuję‼

※ポーランド旅行記バックナンバーまとめ※随時更新①~